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第21話[最強の魔法]

スタリエの魔法でステータスを上げた日菜に魔王の娘は苦戦していた。

どんな技を使おうとも、スタリエの魔法で防がれてしまい、そして日菜の強力な魔法を喰らってしまう。

更に上空に浮かぶ無数の火の玉が邪魔をして上手く飛べないでいた。


「くっ、何でなの……、影様のお陰で強くなったというのに、どうしてコイツらを倒せないの……」


結局私は、あの頃から何も成長していないって事なの。

無力で何も出来ない。

あの頃の私のままだって事……。


「違う、そんな訳が無い」

「影様は言ってくれた」

「期待していると……、ならその期待に応えないといけないじゃない」

「私を強くしてくれた恩に報いるべきじゃない」


そう叫ぶ魔王の娘。

スタリエはそれを黙って聞いていた。

そして日菜の方を見て思う。


「フハハハ、我が漆黒の紅蓮の炎よ全てを焼き尽くせ」


どちらが悪役なのかと……。


「ちょっと日菜、もうちょっと正義の味方みたいな事、言えないの?」


「へっ?」

「言ってるけど?」


えっ、そうなの?

全てを焼き尽くせとか、悪役が言う台詞なんじゃないの?

あまりヒーロー系に詳しくないスタリエ。

だからなのか、自分の発言にあまり自信を持てないでいた。


「さて、地獄の業火に焼かれる時間が訪れた様ね」


「本当に今時のヒーローはそんな事を言うの?」


そんなスタリエの問いに日菜は無視をして、幸運の薬を飲み始めた。


「ちょっと、それって最後の一粒なんじゃ……」


「これでお終いだよ」

「我が最終奥義、火炎柱」


「はぁ?」

「止めて日菜、その火炎柱だけは使っちゃ駄目」


「大丈夫だよスタリエちゃん」

「幸運の薬、飲んだから」


そんな事の為に最後の一粒を飲んだ訳?

日菜の行動が理解出来ずにいるスタリエ。

そして、ステータスを上げている状態の火炎柱は凄まじく。

日菜は両手を天に向け、叫んでいた。


「気持ちいいぃぃ」


それと同時に聞こえて来る魔王の娘の断末魔。

変な事を言って笑う日菜に断末魔を上げる魔王の娘。

本当に何方が悪なのか分からない。


「終わったの?」


「うん、魔王の娘は天に召されたよ」


終始カッコをつける日菜。

どうせ直ぐに脱ぐのに、フードを深く被り、涙も出ていないのに、涙ぐみ天上を見上げ、日菜はスタリエに言う。


「悲しい戦いだったね」


「何処が?」

「気持ちいいぃぃって、笑いながら叫んでたじゃない」


「それじゃ、皆んなの所……、行こうか?」


何故溜めた。

普通に皆んなの所に行こうかでいいじゃない。

終始日菜のテンションについて行けず、スタリエは勇者達の所へ向かうのだった。


第21話 完


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