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第19話[先に行け]

魔王城にて玉座に座る影。

まさか人間達が魔界に来る何て想像もしていなかった。

そんな事を考えている影に心の中に居るララが言う。


「これであなたも終わりですね」


「あら、私が終わるとあなたも終わるのよ」

「死ぬのがそんなに嬉しい訳?」


知っていて、敢えて質問をする影にララは「嬉しい」と答えた。


「だって私が死ねば、あなたも死ぬって事ですから」


随分と嫌われているわね。

でもいいわ、勇者達を殺せばララの苦しんだ顔が見れるし、私が死ねば勇者達の悲しむ顔が見れる。

何方に転んでも、私は楽しむ事が出来る。

それに……。

影は魔王の娘を呼んだ。


「彼女に勝てるかしらね?」


力を最大限に引き出された魔王の娘から凄まじい量の魔力が溢れ出ている。


「さて、どうやら勇者達が来たみたいね」

「期待しているわよムー」


「はい、必ず勇者達の首を影様の前に並べて見せます」

「最も、僧侶の顔は原型を留めていないと思いますがね」


そう不気味に笑い、魔王の娘は日菜達の所へ向かって行った。


「日菜さん達、大丈夫ですよね……」


「あら、不安なの?」

「あなたの不安な気持ちが私に伝わってきているわよ」


そう笑う影の中でララは首を横に振り、何度も仲間達を信じるんだと自分に言い聞かせた。

そんなララを他所に、影はモニターで魔王の娘と日菜達の戦いを眺める事にする。


魔王城に着いた日菜達の前に魔王の娘が現れた。


「フフフ、あなた達は此処で終わらせるわ」


そう言って笑う魔王の娘を前にし、日菜が皆んなに言う。


「此処は私に任せて、皆んなは先に行って」


「フフフ、あなた一人で私に勝つつもり?」

「随分と甘く見られたものね」


そう言って来る魔王の娘を無視して、勇者は剣を抜いた。


「別に一人で戦わなくても、四人でやれば直ぐだよ」


「直ぐ?」


勇者の言葉に反応する魔王の娘。

そんな魔王の娘を更にイラつかせる言葉をスタリエが言う。


「そうね、雑魚相手に時間を取られている場合じゃないしね」


「雑魚?」


「日菜殿、金魚の糞相手でも容赦なく行きましょう」


「糞……」

「さっきから私を馬鹿にして……、絶対に許さないわ」


膨大な魔力が辺りを包む。


「さあ、どう?」

「この魔力を前にして、さっきまでの軽口が叩ける?」


「いや、漫画とかであるじゃん、こういう展開、折角だから、やってみたくて……」


何の反応も示さない日菜達を見て、魔王の娘は目を丸くする。


「分かったわ日菜、でも流石に日菜だけじゃ心配だから私も残るわ」

「って事で勇者と緑は影を倒して来なさい」


「うん、分かったよ」


そう言って勇者は緑を連れて階段を駆け上がる。

そんな二人を追いかけ様と後を追おうとする魔王の娘に日菜が魔法で作り出した火の玉をぶつけた。


「あなたの相手は私だよ」


漫画のキャラみたいにキメ顔をする日菜を前に、魔王の娘は額に血管を浮き上がらせるのだった。


第19話 完

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