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第17話[空の旅]

仲直りしてからも、勇者達は緑の幻影に一撃を入れる事は出来なかった。

だが、それでも四人は以前とは違い、格段に成長していた。


「あと少しだったね」


そう話し、勇者は次の作戦を皆んなと考える。


「もういっその事、BL本でも投げる?」


「もう、スタリエちゃんったら、またそんな事を言って、確かにそれだと確実に一撃を入れる事が出来るけど、何かズルした感じで駄目じゃん」


そう言って笑う日菜、和やかなムードのまま、日菜達は次の作戦を話し合う。

そして、数日後……。


「今日は私の新しい魔法を試したいんだけど良いかな?」


そう皆んなに話すスタリエ。


「スタリエちゃんも⁉︎」

「実は私も新しい魔法があるの」


そう言って、日菜も勇者達に新しい魔法を試したいと話す。


「分かった、それでどんな魔法なの?」


二人が新しい魔法について詳しく説明し、勇者達は戦術を考える。

そして、緑の幻影と戦う事に……。


「行くわよ」


そう言うとスタリエは魔法を唱え、勇者達のステータスを強化する。


「赤き火の玉よ、無限に散れ」


日菜の魔法で上空に無数の火の玉が浮かび、それらが緑の幻影に襲いかかる。

それを交わしていく幻影、そこへ勇者が向かって行った。

日菜の火の玉とステータスが上がり速くなった勇者の攻撃、それらの攻撃を交わしていくのがキツくなったのか、緑の幻影はジャンプして一旦距離を取ろうとする。

それを緑は見逃さなかった。

勇者の背中をジャンプ台代わりにし、緑は高く飛び、幻影を追いかけていく。

空中で身動きが取れない幻影の胸に緑は短剣を突き刺して地面に着地する。


「やりました勇者殿」


「流石だよ緑ちゃん」


「いえ、これも皆さんのお陰です」


こうして幻影に一撃を与える事が出来た勇者達にゼブロスは約束通り女神の果実を渡す。


「これが女神の果実……」


そう呟き、勇者は一口齧る。

すると果汁が溢れ、勇者の手がベトベトに……。


「甘くて美味しい」

「只、果汁が多いから吸いながら食べた方が良いね」


そう話す勇者に習い、日菜達は軽く齧って、果汁を飲み干しながら食べる事に。

そして果実を食べ終えた頃には勇者達のステータスは大幅に上がっていた。


「これで影に勝てるかは分かりません」

「正直、影の強さは未知数です」

「心配なら、もっと強くなるまで修行するのもいいでしょう」


「いや、これで十分だよ」

「それにこれ以上、時間をかけたら影が何を仕出かすか分からないしね」


「そうですか……」


ゼブロスは目を閉じて、しばらく黙り。

そしてゆっくりと口を開いた。


「あなた達にお願いがあります」

「どうか影を倒し、亡くなっていったドラゴン達の仇を打ってください」


「ドラゴン達の仇?」


そう聞き返す勇者にゼブロスはドラゴンの里の出身だと答えた。

王国が滅ぼされ、今の気持ちを話すゼブロスに勇者は拳を向ける。


「分かった約束するよ」

「絶対に仇を打つ」


「ありがとうございます」


そうお礼を言うとゼブロスは立ち上がった。

そして、光の国まで勇者達を乗せて行ってあげる事に。


「準備はいいですか?」

「振り落とされ無い様にしっかりと掴まって下さいね」


そう言うとゼブロスは空を羽ばたき飛んで行く。

凄い速さだ。

これなら光の国何てあっという間だろう。

そう皆んなが思っていた。

だが……。


「ねぇ、何か高度が下がって無い?」


勇者の言葉に一同の顔が青くなる。


「忘れていました」

「私、歳で空をあまり飛べないんでした」


「えっ?」


地上へ急降下する中、日菜達は思った。

ふざけるなと……。

こうして地獄の空の旅を終え、日菜達は何とか光の国へ辿り着くのだった。


第17話 完

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