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第11話[再生トカゲ]

日菜達は地底の街に居た。

この街に来るまでに洞窟に居る魔物達と戦い、そして服は泥だらけに……。


「取り敢えず、着替えと宿屋でお風呂に入ろうか?」


日菜の提案に一同は頷き応える。

そしてお風呂から上がった一同は、街を少し観光する事に。

再生トカゲについて情報を集めつつ、屋台の料理を見て回るが……。


「おやあんた達、地上の人間かい?」


「はい、そうですけど……」


「だったらどうだい?」

「地底名物、空飛ぶモグラの串焼きは?」


そう言って差し出されるモグラの串焼き。

毛と皮は剥ぎ取られ、香ばしい良い匂いがするが、モグラという事で一同は戸惑ってしまう。


「何事も経験……」


勇気を出して、緑がモグラの串焼きを一口。

そして、目を見開き「美味しい」と言う。


「焼き鳥の塩を食べているみたいです」


「ハハハ、私達地底人は焼き鳥なんて食った事は無いけど、観光客は皆んな口を揃えて鶏肉みたいだと言うね」


それを聞いた日菜達三人は思った。

なら鶏肉を食べるよと……。


「地底に来てまで鶏肉と同じ味の奴を食べるのもなぁ〜」

「お姉さん、モグラ以外で観光客に人気な食べ物は無い?」


そう勇者が尋ねると、店主のおばさんは綺麗なサシの入ったお肉を取り出した。


「お姉さんだ何て、嬉しい事を言ってくれるね」

「特別にこのお肉を焼いてあげるから、試食していってよ」


脂で輝いて見えるお肉に興奮する一同。

包丁の通りも良く、一同の口の中に唾液が溜まる。


「このお肉、何のお肉ですか?」


「ブロンズミミズの肉さ」


一気に顔が青ざめる三人。

溜まった唾液を飲み干し、モグラの串焼きを要求する中、緑がミミズの肉を試食した。


「凄く美味しいです」

「この前食べたモコ牛の比じゃありません」


いや、でもミミズだし……。

そう思いながら、三人は店主に写真か何か無いのか尋ねると、ブロンズミミズの剥製が飾られている施設を教えて貰った。


「これがブロンズミミズ……」


カンタロウミミズみたいな見た目をした超巨大ミミズ。

最小で五メートルの長さをし、太さは二メートルを超すと書いてある。

更には雑食で地底人を食べる事もあるとか……。


「食べなくて良かったわね」


「そうだねスタリエちゃん」


一同は観光を止め、再生トカゲの住む洞窟に向かう事に……。


「一面真っ黒だね」


ランプを照らし辺りを見回す日菜。

再生トカゲが居る気配が無い。

そう思っていた。

だが……。


「ちょっと待って、何か赤い点の様な物が沢山あるんだけど……」


そう怯えるスタリエの頭に再生トカゲが落ちて来る。

悲鳴を上げたスタリエに驚いたのか、一面真っ黒だった物が一斉に動き出し、それら全てが再生トカゲだと気付いた頃には、日菜達の体を大量の再生トカゲが這い回っていた。

慌てて洞窟から逃げ出す四人。

トカゲを捕獲する必要は無い。

何故なら四人の体に無数の再生トカゲが張り付いているのだから。

こうして日菜達は無事に再生トカゲの尻尾を手に入れる事が出来たのだった。


第11話 完

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