第4話[綺麗な◯玉]
日菜達は人魚の女王様と会っていた。
「皆さん、お久しぶりです」
「あっ、あの時の人魚……、女王様になったんだ」
かつて勇者達に何故人魚が人々を襲う様になったのかを話した人魚が、今や女王様になっている事を知り、日菜達が驚く中、女王の妹が現れ、勇者達に深くお辞儀をする。
「あの時は命を助けて下さり、ありがとうございました」
いや、助けたつもりは無いけど……。
そう思い、勇者は額から冷や汗を滲ませる。
「それで女王様、お願いがあるんですけど……」
そう言うと日菜は事情を説明した。
それを聞いた人魚の女王様は部下に、化け物イカの金◯を持って来る様に指示を出す。
しばらく待ち、運ばれて来る金◯。
それは宝石の様に美しく、そして臭くは無かった。
「えっ、嘘……、何で臭くないの?」
驚きを隠せないスタリエを見て、人魚の女王様はクスリと笑い、しっかりと処理をすれば臭いは取れる事を説明する。
「へぇ〜、そうなの」
「だったら一家に一つは置いても良いかもしれないわね」
そう話すスタリエに勇者は「でも金◯だよ」と言って水を差す。
勇者とスタリエがモメる中、日菜は人魚の女王様にお礼を言うと、緑と一緒に喜んだ。
「日菜殿、次はどうしますか?」
「そうだなぁ、この精霊の雫何てどうだろう?」
「凄く見つけ辛そうなのから早く終わらせておきたいし……」
一応、人魚の女王に手掛かりを尋ねてみるが、何の情報も得られる事は出来ず、落胆する中、日菜達の前にフードを深く被った少女が現れた。
「どうやら鞭を完成させた様ですね」
そう言うと彼女は欲望の森に精霊達が住む村がある事を話す。
「その森に足を踏み入れれば最後、誰も生きて戻る事は無いと言われています」
「ですが、伝説の鞭を手にしたあなた達なら、きっと大丈夫でしょう」
地図を広げ、その森の場所を聞き、印をつけて貰う。
どうやらメルヘン王国から近いみたいだ。
日菜達はフードを深く被った少女にお礼を言うと、女王様達に別れを言い、精霊達が住む村を目指し、欲望の森へ向かうのだった。
第4話 完




