表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
309/367

第61話[常闇のグローブ]

「という訳で勇者は水晶になりました」


皆んなが水晶になった勇者の所に集まる。

そんな中、日菜とスタリエは義手と義足を着けた緑を見て喜んだ。


「凄い、出来たんだね」


「綺麗な仕上がりね、流石レイナだわ」


二人に褒められて照れるレイナだったが、直様彼女は自分が力不足だった事を二人に告げた。

軽量し尚且つ指などの関節を人体と変わり無く作る事が出来たのだが、それを緑の体に着けても動く事は無かった。

どうやら脳からの指示を受け取る事が出来ず、義手義足を動かす事が出来なかったらしい。

そこでサーベリックの錬金術を使い、それが出来る様に改良されたとか。


「だから殆どはサーちゃんのお陰何です」


そう話すレイナの手を握り、緑が笑顔を向ける。


「そんな事ありません」

「この素晴らしい手足はレイナ殿のお陰でもあります」

「本当にありがとうございました」


終始和やかなムードの中、勇者が叫んだ。


「私の事、忘れてない?」

「私だって緑ちゃんの新しい手足、見たいのに」


「ごめんごめん、でもこれ、どうやって戻せばいいのかな?」


悩む日菜の元へ、申し訳無さそうにメリナが現れた。

常闇のグローブという、吸魂の水晶に魂を吸われない為の道具を渡し忘れた事を謝り、勇者の魂を元に戻す事を日菜達に約束する。


「いい、吸魂の水晶は特殊だから割れたら二度と修復する事は出来ないわ」


同時に何度も魂を吸い出す事が出来ず、大抵は一、二回で壊れてしまう事を話すメリナ。

それを聞いていて、日菜とスタリエは思った。

常闇のグローブ、必須だったじゃんと……。


「えっ、て事は勇者の魂を肉体に戻したら壊れちゃう可能性があるって事ですか?」


「可能性は無くは無いわ」


「ふっざけないでよ」


スタリエの叫び声が辺りに響き渡る。


「こっちには日菜が居るのよ」


「えっ」


「確実に割れるに決まっているじゃない」

「苦労して手に入れたのに、何ふざけた事を言っているのよ」


「いや、何も確実に割れるとは……」


「割れるわよ」


キッパリと答えるスタリエだったが、結果水晶は割れる事は無かった。


「日菜、私は信じていたわ」

「水晶が割れる事は無いってね」


「オイッ」


第61話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ