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第54話[戦争]

ブランガガル王国にブランガガル王国の傘下であるギルドギギア王国の国王がアーネ王に会いに来ていた。


「成る程、魔物と人間、共に平和的に過ごす為に国税の三十パーセントを寄越せと、そう仰られるのですね?」


「ええ、いや実に素晴らしい事では無いですか」

「私達も直ぐに賛同しましたよ」

「勿論アーネ王も支払って頂けますよね?」


「冗談じゃろ?」

「あんな殺戮ショーを披露しといて魔物と人間が共に暮らす?」

「実に笑えない冗談じゃな」


「サーちゃん、言葉が過ぎますよ」


そう言うとアーネは紅茶を啜る。


「勿論支払っても良いのですが、何故勇者様達は私にその事を話しに参られないのですか?」


「平和になっても勇者様はお忙しい身、ですから勇者様のお手を煩わせまいと私が来た所存です」


その言葉を聞いてレイナが側に置いてあった紅茶をギルドギギア王にかける。


「誰がそんな言葉信じるかよ」


「コラコラ、レーちゃんやり過ぎですわよ」


先程からのサーベリックとレイナの態度に加え、口では注意するものの、部下の非礼を詫び様とはしないアーネの態度にギルドギギア王が遂に怒ってしまう。


「はなから支払うつもりが無い様ですな」

「ならばギルドギギア国はブランガガル王国の傘下を外れ、制裁を加える事にしましょう」


「受けて立ちますわ」

「勇者の名を語り、金銭を要求する愚かな国に武力を持って制裁を加えて差し上げましょう」


こうしてブランガガルとギルドギギアは対立し、戦争を始める事になった。


「すみません、私の我儘でこんな事になってしまって」


「何を仰られます」

「国税の三十パーセントも取られては国が成り立ちませぬ」


「そうですよ」

「アーネ様の我儘なんかではありません」


「私達の給料は私達で守りますよ」


「ギルドギギア何て弱小国、直ぐにでも制圧して見せます」


大臣や兵士達に励まされ、アーネは良い臣下を持てた事に喜ぶと同時に、ギルドギギア国の民達についても考えていた。

出来る事なら、ギルドギギアの民達は救ってあげたい。

そう思い、アーネはサーベリックと大臣を加え、日夜会議をして戦争が終わってからのケアについて相談していた。

そんな中、レイナは兵士達の為に強力な武器作りに取り掛かる。

一方、ギルドギギア国では国王が影に跪いていた。


「どうやら上手く行ったみたいね」


「はい、それで魔物達の兵はお借りできるのでしょうか?」


「勿論よ」

「ブランガガルを倒し、ギルドギギアを大きくするのがあなたの目的でしょ」

「私は毎月、国の税収の五パーゼントを受け取る」

「応援しているわ、ブランガガルを倒せる事を……」


こうして影から魔物の兵を借りて力をつけたギルドギギアはブランガガルの兵を圧倒し、優勢に立つのであった。


第54話 完

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