表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
301/367

第53話[団結]

勇者達は森の中でこれからの事を話し合っていた。

まず最初に意見を出したのは緑で、彼女は皆んなに一度、ブランガガル王国に行かないかと提案していた。

友人のレイナに義手と義足を作って貰いたいのだと、日菜達に話す。


「確かに、先ずはブランガガル王国に行くべきだよね」


あそこには錬金術師のサーベリックもいる。

そして何より、姫であるアーネはペンダの事を知っており、あの中継が私達の仕業では無いと信じてくれる筈だ。

一同は頷き、緑の案に乗る事にする。

そして、四人は身支度を済ませ、団長のミカナタに旅立つ挨拶をした。


「もう行くのか?」

「魔王も倒され、平和な世界になったんだし、ゆっくりして行けば良いだろ」


ミカナタの言葉に勇者が「それは違うよ」と言って事情を説明した。


「成る程、そういう事があったのか」


「チッ、許せねぇ」

「私達を騙していたのは影って奴だったのか」


「団長、私達も勇者達と一緒に旅をして影を倒しましょう」


ヒルのその提案に勇者が断りを入れる。


「何で?」


「何でって……、そりゃ弱いから……」


勇者の言葉に怒る団員達、そんな中、マルカが日菜の所にやって来た。


「日菜も……、私達が弱いと思ってる?」


「うっ……、ごめん」

「また蘇生薬にお金をかけるのはちょっと……」


日菜の言葉にショックを受けるマルカ。

場が騒がしくなり、団長のミカナタは溜め息を吐いて、机を思いっきり叩く。


「皆んな落ち着け、勇者さん達は私達が死なない様、言ってくれているんだ」

「考えてもみろ、魔王を操る相手に私達が勝てると思うか?」


誰も何も答えない。

弱者が集まって出来た団。

影を倒せる実力があるのなら、メルヘン王国の事件は起きなかっただろう。


「勇者さん、私達は何も協力出来ませんが、どうか無事だけは祈らせて下さい」


「うん、ありがとう」

「そうだ、今此処で約束するよ」

「影を倒して、人と魔物達が仲良く暮らせる世界を作る」

「だからミカナタ達も、それまで我慢して、必ず幸せになれる世界を作るから」


そう言って勇者達はブランガガル王国を目指して旅に出た。

そして……。


「さてお前達、旅支度をするぞ」


ミカナタはそう言って、団員達に準備をする様に指示を出した。


「団長、変」


「そうだよ、影に勝てないんだろ?」


マルカとヒルが文句を言う中、ミカナタは笑っていた。


「当たり前だろ」

「影には勝てないが、魔王軍の兵士達ならどうだ?」

「今こそ強くなった我らの団の力、見せようぞ」


「へへっ、流石団長だぜ」


団長のミカナタを中心に団員達がやる気を見せる。

こうして魔物達の団は安住の地に決めた森を捨て、魔王軍の兵士達と戦う為に旅に出るのだった。


第53話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ