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第47話[本性]

彼女が召喚されて一週間。

彼女は完全に怯えてしまい、誰とも会おうとしなかった。

魔王も彼女が怯えるからと言って、幹部達にも紹介しようとしない。

まあ、別にどうでも良いけど。

私はそんな事を考えながら、いつもの様に自室へ引き篭もったのだ。

もう、異世界召喚は使えない。

初めに召喚されたのが、アレでは魔王も「これ以上は可哀想だ」とか言って力を貸さないだろう。

私にもっと力があれば……。

ふと月を見て、私は自室を出る事にする。

普段は特に月何て気にしないのだが、今の私はメンタルにダメージを受けているみたいだ。

ふと魔王の部屋から話し声が聞こえてくる。


「おお、この城に慣れたか」


「はい、お陰様で慣れました」

「これも魔王様の優しさあっての物ですわ」


魔王と召喚された人間か?

私は魔王の部屋の扉を少し開け、覗いてみる事に……。

魔王と召喚された人間、後は召喚された人間を守る為に秘密裏につけられた護衛の二人か。

確か、まだ幹部達とは会いたくないからという理由で比較的に可愛らしい魔物を護衛としてつけていたっけ。


「そうか、良かった」

「知らぬ地で怖そうな魔物に囲まれて不安でないかと心配していたのだ」


「只……、優し過ぎます」

「これが魔王だ何て本当にガッカリよ」


そう言うと召喚された人間は護衛の魔物達に魔王を襲う様に指示を出した。

その様子を見て、私は我が目を疑った。

奴らが人間の指示に従い魔王を攻撃する何て事、あり得ないからだ。


「止めろ、止めぬか」


魔王の叫びを無視して魔物達は魔王を攻撃していく。

魔王が気絶を狙い、攻撃しても彼らは何故か立ち上がり、魔王を襲う。

そんなどうしようも無い中、魔王は遂に護衛の魔物達の命を奪った。


「フフフ、アハハハ、いいわ」

「あなたのその顔、凄く良い」


そう言うと召喚された人間はご機嫌に踊り始めた。


「まだ死ねぬのだ」

「夢を叶えるまでは……」


罪の意識からか、魔王が一人呟いていた。

それを聞いて、召喚された人間は更に笑う。


「そうね、貴方は何も間違っていないわ」

「目的の為なら何でもする」

「それでいいと思う」

「私もあなたと同じで目的の為、何でもする事にしたわ」


そう言って彼女は語った。

この世界を地獄に変えると。

そして、私はそれを聞いて運命を感じてしまったのだった。


第47話 完

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