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第36話[魔法]
影に向かって剣を振り下ろす勇者。
しかし影は水になって溶けて行った。
「なっ……」
振り落とされた剣は床に当たり、金属音が辺りに響く中、影は勇者達から少し離れた場所に姿を現した。
「フフフ、魔法って便利よね」
そう言って影が笑う。
「こんな事も出来るのよ」
影がパチンと指を鳴らすと、日菜の足が凍り、床に張り付いた。
更に影はパチンと指を鳴らし、今度は無数の氷柱が日菜を襲う。
「させません」
緑がそれら氷柱を全て斬り落とし日菜を守ると、勇者とスタリエは二人同時に動き出し、影めがけ攻撃をする。
だが、影は再び水になって、二人の攻撃を避けていった。
「私に任せて下さい」
「水になって避けるのなら、私があなたを凍らせて動きを止める」
ララが放つ氷の魔法。
影の周りに冷たい冷気が包み込む。
そこから一気に影を凍らせるつもりだったが、影は何かの道具を使い、その魔法を跳ね返した。
勇者達の周りに冷たい冷気が包み込む。
このままじゃ、一気に凍らされてしまう。
そんな絶対絶命の中、日菜が魔法で周囲の気温を上げ、跳ね返った魔法を相殺した。
「魔法なら私に任せて」
第36話 完




