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第27話[変なアクセサリーと伝説の剣]

これら魔王の過去を見せられた日菜達に何者かが問いかける。

いざという時、彼を殺し世界の平和を守る事が出来るのか?

その問いに勇者は剣を構えて答えた。


「出来る」

「魔王にどんな過去があろうとも、今彼がしている事は間違っている」


人魚やドラゴン族、更には罪の無い大勢の人達が彼に殺されてしまった。

魔物と人間が共に暮らせる理想の世界の為?

もしそれが実現できたのなら、それは素晴らしい世界だろう。

誰も傷つかない優しい世界。

だけど、そんな優しい世界を作る為に人や魔物の命を奪っていては意味がない。

誰かの犠牲の上で出来た優しい世界なんて私は認めない。


「僕を殺すって言うの?」

「僕は只、皆んなと楽しく生きていたいだけなのに……」


「何が楽しくだ」

「皆んなを苦しめておいてよく言うよ」


勇者は魔王相手に斬りかかる。


「理想だと語るのならば、誰も殺さずに実現させなさいよ」

「恐怖で人々を支配し、魔物と一緒に生活?」

「そんなの共存でも何でもないわよ」


勇者自身分かっている。

相手が本物の魔王では無い事を……。

それでも言わずにはいられなかった。

ずっと溜め込んできた物を魔王の幻影にぶち撒ける。


「そんなに魔物と人間の共存を望むのならば、私が代わりに叶えてあげる」

「誰も殺さずに叶えてやんよ」


「ありがとう」


魔王のその言葉を聞き、勇者は寸での所で剣を止めた。

涙を流す幼少期の魔王。

そんな魔王の顔を見て、勇者は手を震わせた。


「どうして、そうなっちゃったのよ」


あの時、村に騎士が襲いに来なかったら、もしかしたら多くの人達が亡くならずに済んだかも知れない。

魔王も幸せに過ごせていたのかも……。


「僕を……、魔王である僕を……」


幼少期だった魔王の幻影が今の魔王の姿へと変化していく。


「止めてくれ」


そう言うと幻影は消えていった。


「んっ、何だこれ?」


幻影が立っていた場所に変なアクセサリーが落ちてある。

何処に付けるか分からない変なアクセサリー。

何かのイベントのキーアイテムか?

などと思い、勇者達は一応持っていく事にした。

そして手にした伝説の剣。

それを持ち、日菜達は光の国へ帰る事にした。


第27話 完

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