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第16話[憤怒]
ああ、くそ。
腹が立つ。
思い通りにいかない何て本当に腹が立って大っ嫌いだ。
過去の勇者の仲間の生き残りがこの世にまだ居る何て……。
あのジジイは許せない。
寿命尽きるまで生かしておく何て考えられないわ。
苦しみを与えながら殺してやりたい。
できる事なら殺し続けてやりたい。
とは言っても私自身が出向く訳にもいかないしね。
だって、あのジジイの命より私が今行っている作戦の方が大事なんだもの。
幹部連中じゃ、あのジジイには勝てそうに無いだろうし。
人体実験で作った最高傑作の兵士もやられたし、当分は何もできないわね。
「はあ、退屈ね」
実験用の子供も少なくなってきたし、黒騎士は身寄りの無い子供を保護する事も無くなった。
それにペンダも余り良い顔はしない。
ああ、勇者。
早く私を殺してくれないかしら。
あなたの手に私を殺したという実感を与え、あなたは私を殺したという罪を背負うの。
その時のあなたは私にどういった顔を見せてくれるのかしら。
想像しただけで興奮しちゃうわ。
私は勇者が魔王城に来るのを今か今かと待ち侘びる。
まるで魔王城に囚われたお姫様の様に……。
第16話 完




