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第15話[鞭と弟子]
「さて、行こうかのぅ」
ボケ老人と呼ばれていた時とは打って変わり、凛々しい顔持ちでそう言う老師。
黒いオーラを纏った少女の攻撃をバリアで防ぎ、そして老師は少女のオーラを感じ、目を瞑りながらこう話し始めた。
「ふむ、このオーラは憎しみと苦しみからできておるのか」
「どれ、ワシが全て引き受けてやろう」
老師がそう話すと、黒いオーラを引き寄せ体内に取り込んで行く。
「流石だ」
「アレで魔王の魔力を吸い上げて弱体化させたんだ」
アレで魔王を弱体化……。
やっぱり老師は凄い人だったんだ。
「あれ、此処は?」
「もう大丈夫じゃよ」
「ほれ、お菓子をあげよう」
「お爺ちゃん、これ焼き魚だよ」
少女は元に戻り、影は舌打ちをして消えていく。
そんな中、私は老師の元へ駆け寄り先程の技を教えてくれる様に頼み込んだ。
すると……。
「ほぇ?」
「お前さんも魚食うかえ?」
「スタリエちゃん、もう一度鞭で叩いてくれる?」
「オッケー、また鞭で叩けばいいのね」
こうして私は伝説の賢者の弟子となり、技を色々と学ばせて貰う事となった。
第15話 完




