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第13話[修行の成果]

それぞれが修行を行う中、緑は闘技大会に参加していた。


「ひぃ、参った降参する」


緑に剣を折られ、逃げる様に闘技場から去って行く対戦相手。

緑は順調に連勝記録を伸ばしていく。


「フン、流石は勇者の仲間って訳か」


高価な鎧に高価な剣。

それらを装備した老人が現れ、闘技大会を見に来ていた観客達が湧き上がる。


「俺の連勝記録は未だ継続中だ」

「もう、千は超えているだろうなぁ」


「はあ、そうですか」


「さてお嬢ちゃん、この闘技大会の魔王と呼ばれた俺の実力、試してみるか?」


「ええ、いいですが、腰を痛めないで下さいね」


そう言って緑は開始の合図を待った。


「構えも無しかよ、舐めやがって」


審判の開始の合図と共に、闘技大会の魔王が動き出す。

そんな中、緑は剣を抜き素早く闘技大会の魔王の剣を折るとすぐ様剣を鞘に戻した。

あまりの強さに驚き、ギックリ腰になる闘技大会の魔王。


「すげぇ、あの魔王も倒しやがった」


「これからは嬢ちゃんが魔王だ」


湧き上がる歓声の中、ただの爺さんに成り果てた元闘技大会の魔王が叫ぶ。


「いや、わしはまだ負けて無いからな」


この状況でまだやる気ですか?

緑はそう思い、溜め息を吐いて降参を宣言する。


「ホラ、わしの勝ちじゃ」

「見たかわしの強さ」


観客席からは元闘技大会の魔王へのブーイングの嵐。

それを背に緑は宿屋へ帰って行った。


日が暮れて、宿屋の料理を囲みながら各々が修行の成果を上げていく。


「私はスタミナを上げる為に三キロも走ったわよ」


「凄いよスタリエちゃん」


日菜に褒められて幸せそうなスタリエに対し、勇者は溜め息を吐く。


「私は朝から今まで魔物を狩ってクエストを達成してきたけど、レベルは上がらなかったよ」


そう言うと勇者はテーブルにこれまで稼いできた報酬を置いた。


「そんな落ち込まないで、勇者は誰よりも頑張っているよ」


日菜に励まされ元気を取り戻す勇者。


「あっ、お金なら私もあります」


そう言うと緑は勇者の倍の額をテーブルに置いた。


「闘技大会の連勝記録の報酬として頂きました」


「何それ、凄い……」


額から見るに相当な数を勝ち抜いて来たのだろう。

緑の凄さを改めて実感する日菜達、そしてララはドラゴン族のお姫様と一緒に勇者のクエスト発行のお手伝いの為に一日中、酒場と街の外を行き来したり、クエストの魔物を探したりと走り回っていた事を報告した。

そして最後に日菜。

咳払いをし、老師の元でまた魔法を開発した事を話そうと口を開いた瞬間。


「大変だ、黒いオーラを纏った小さな女の子が暴れているんだ」

「闘技大会の魔王、助けてくれ」


街の人達が緑に助けを求め、日菜は何も話せないまま現場へと向かう事となった。


第13話 完

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