第4話[看病]
魔王軍の追撃を受け、兵士のドラゴンと姫様は傷つき、そして姫様は地上に投げ出されてしまう。
傷が深く、飛ぶ事のできないお姫様は地上に叩きつけられる様に落ち、立つ事もできない程の怪我を負ってしまう。
早く勇者を捜して戻らねば。
薄れ行く意識の中、彼女の目に勇者の姿が映る。
「スタリエちゃん、この子をお願い」
スタリエちゃんが空から落ちてきた少女を治療する中、私達は空から現れた魔物達の相手をしていた。
数は多いが、手に負えない程の強さじゃない。
一匹一匹が弱い。
勇者と私、ララちゃんの三人で百は居たであろう魔物達を一掃する。
「どう?」
「駄目、回復にはかなりの時間がかかるわ」
「うぅぅ、あなた達は?」
「喋っちゃ駄目」
「勇者……、よか……」
そのまま彼女は気を失い、スタリエちゃんは魔力回復薬を飲みながら回復魔法をかけていく。
私達は馬車の荷台に毛布や布などを集め、少しでも彼女が休める様な環境を作っていった。
そして、翌朝。
彼女が目を覚ました。
「勇者様、ありがとうございます」
その言葉で私達は目を覚ました。
いつの間にか寝てしまっていたのだ。
勇者だけが寝ずに看病していたのか。
交代制にしようと言っても「私は大丈夫だよ、寧ろ美少女の側に居られて幸せだから」とか言って一人起きていたけど……。
心配で寝られなかったのかな?
「良かったね勇者」
「うん、救えて良かったよ」
だが喜びも束の間、助けた彼女の話しを聞いて私達は呆然としていた。
第4話 完




