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第49話[別れ]

「ちょっと日菜、その麦まだ捨ててなかったの?」


「うん、人からの貰い物だしね」

「それにこの麦が凄いお宝に変わるかもしれないし」


「呆れた、まだそんな事考えているわけ?」


そんな会話をしながら、私達は荷造りを進めていく。

遂に伝説の鞭が完成したらしく、私達はそれを受け取り、新たな地へ旅に出るつもりだ。

荷造りを終え、私達は鍛冶屋へと向かう。


「コレ、伝説の鞭と後、緑にプレゼントを……」


そう言ってレイナちゃんは緑ちゃんに短刀を手渡した。

どうやら緑ちゃんの為に短刀を作っていたらしい。


「レイナ殿、私はこの刀以外装備出来ませんよ」


「分かってる」

「だからお守り代わりに受け取ってくれ」


そう言ってレイナちゃんは涙を拭った。

緑ちゃんと仲が良かったもんね。

きっと別れが悲しいんだ。

私達はブランガガルの女王アーネちゃん、錬金術師のサーベリックちゃん、鍛治職人のレイナちゃんとこの国に住む事にしたメリナさんとズズちゃん達に見送られ、ブランガガル国を後にした。


「あっ、そう言えばジジルガさんの事、忘れてた」


「いいよあんなオッサン、寧ろバレる前に早く次の街へ急ごう」


そう言って勇者が馬車へ駆け込んだ。

そんな中、雪花ちゃんが立ち止まる。


「私もそろそろ帰らないと」


そう言って雪花ちゃんは私達に別れを告げて去っていく。


「寂しくなったね」


そう言って勇者は広くなった荷台で横になる。

確かにこの間まではペンダとレイナちゃんが乗っていたしね。

二人が居なくなった分、寂しさも増す。


「またブランガガルに遊びに行かなきゃだね」


「はい、またレイナ殿と会いたいです」


そう言って緑ちゃんは短刀を大切そうに持って、それを眺めていた。

次は一体、どんな出会いがあるのだろうか。

そう胸に期待を抱き、私は馬車に揺られ旅をするのだった。


第49話 完

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