第38話[日菜ちゃん大活躍]
私達は古代王の王冠を求め、古代王の墓の中へ来ていた。
墓石をズラし地下へ降り、私達は巨大な迷路を進んでいく。
「危ない」
床に仕込まれた罠を踏み、横から無数の矢が勇者めがけ飛び出してくる。
私は勇者を押し倒し、無数の矢から勇者を守った。
「ありがとう日菜ちゃん」
「よくある罠だけど、いざって時は避けられないもんだね」
他にもスタリエちゃんやアーネちゃんまでもが罠にかかり、私は体を張って二人を助けた。
「日菜さん、すげー」
「輝いて見えるっす」
そうかな?
えへへ、何だろ?
お墓に入ってから何か調子が良いな。
レイナちゃんに褒められ喜んでいる私の元にサーベリックちゃんが近くに寄って来て、私の体を隅から隅まで観察し、手を叩いた。
「コレはもしや……」
そう言うと、サーベリックちゃんはある仮説を立てた。
私の強大なマイナスエネルギーと、お墓内に漂う強大な呪いが掛け合わされて、プラス効果が働いているのだと皆んなに説明する。
「まさか、そんなぁ」
そう言って私は壁にモタレた。
すると壁はクルッと回転して、私はそのまま滑り落ちていく。
嫌な予感がしながらも、何とか滑るのを止められないかと抗うが、どうする事も出来ず、私の体は放り出されてしまう。
きっと放り出された先は針山なんだろうな。
やっぱりついてない。
此処で私の旅は終わるんだ。
などと考えていると、私の前に眩いばかりの財宝が現れた。
そのまま私は財宝の山に埋もれる。
お金の物理的な重みを体に感じながら私はニヤけていた。
第38話 完




