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第37話[増えた仲間]
私達は気を取り直して古代王の墓に向かう為、宿屋を後にした。
お世話になった魔法使いのメリナさんに挨拶に行くと……。
「ちょっと待って」
そう言われ、待つ事数十分。
メリナさんが大きな荷物を抱えて現れた。
何でも、ペンダの一件でこの街に住みづらくなったとか……。
迷惑かけてしまい申し訳ない。
そして、国の出入り口にはフードを深く被ったアーネちゃんとサーベリックちゃんが立っていた。
「二人共、どうして此処に?」
「いや、アーちゃんがどうしても旅をしてみたいって言うのでな」
「大歓迎だよ」
「アーネちゃん、助けてくれてありがとね」
そう言うと勇者はアーネちゃんに抱きつき頬擦りをした。
「ありがとうございます勇者様」
「私も頬擦りしちゃいます」
アーネちゃん、あんまり勇者を甘やかさないでね。
いや、まあキツく当たれば、それはそれで喜んじゃうんだけど。
こうして新たな仲間を加え、私達は古代王の墓に向けて馬車を走らせたのだった。
第37話 完




