第14話[素材集めの旅]
私は今、深夜三時にサーベリックちゃんに起こされていた。
こんな夜中に何の用だと思い、私はベッドから体を起こした。
すると私の隣から聞き覚えのある声が……。
「うーん、何なのこんな時間に……」
えっ、何で勇者が隣で寝てるの?
それに心無しか顔が濡れている気がするんだけど……。
つか眼鏡も濡れてるし……。
「日菜ちゃん、おはよう」
私はそのまま身動きせず、大きな声で叫び、皆んなを呼んだ。
「ちょっと、何やってんのよこの変態、大丈夫日菜?」
そう言って私を抱き寄せるスタリエちゃん。
そんな中、サーベリックちゃんが口を開いた。
「あの、お取り込み中すまんがちょっと良いか?」
「徹夜が続いて眠いのでの、先に用件だけ伝えさせてくれ」
「日菜よ、不幸を治す薬の製法がまとまっての」
「後は素材集めだけじゃ」
「本当ですか?」
私はスタリエちゃんから離れサーベリックちゃんの手を握る。
そうか不幸体質が治ると思い、舞い上がって部屋の扉の鍵をかけ忘れたのか。
つか勇者は毎夜、私の部屋の扉に鍵がかかっているのかチェックしているのかな?
だとしたらそれはそれで怖いけど、今はそれどころじゃ無い。
私はサーベリックちゃんからメモを受け取り、出発の準備をする。
「お願い皆んな、私に力を貸して」
「もちろんだよ」
「日菜ちゃんの不幸はたまに他人を巻き込むからね」
えっ?
「それが無くなるのなら私も全力で力を貸すわ」
んっ?
「日菜殿の不幸は皆んなの不幸です」
その言葉、そのまんま受け取っていいんだよね?
私が皆んなを不幸に巻き込んでいるとかの意味じゃ無いよね?
「良かった、これで旅が楽になります」
ララちゃん、それどういう意味かな?
何だか私、このパーティーの厄病神なのかな?
うぅぅ、辛い……。
第14話 完




