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第13話[全力で協力します]

私は錬金術師のサーベリックちゃんに呼び出されていた。


「うむ、急に呼び出してすまなかったのぉ」

「一つ、お主の不幸について興味があったのでな」


興味って……。

もしかして、また財布を持たされて歩かされる訳?

嫌だなぁ、もしそうだとしたら断っちゃおうかな。

私がそう思っていたら……。


「私ならお主の不幸体質を錬金術で治せるかもしれん」

「ちとどんな感じか見せて貰えんかのう?」


私の返事は決まっていた。


「もちろんです」

「私の全力の不幸、お見せします」


こうして私はお財布を持って街へ出たのだが、何と一回もスリに会う事無く、お財布を落とす事も無かった。


「あれ?」

「何で?」


私が困惑していると、サーベリックちゃんが財布の中身を見せてくれと頼んできたので私はサーベリックちゃんにお財布を渡す事に、すると……。


「なるほど、財布の中身にお金が入って無かったからスリに合わなかったのか」


どうやら中身の入っていない財布だと私自身にマイナスな影響が無い為、スリや落としたりしなかったのだとサーベリックちゃんは説明してくれた。

なるほど、前の世界では身分証やお財布自体に価値があったりしたから落としたりしたのか。

って事で私は実験と称しお財布にお金を少し入れ歩いてみる事に……。

しばらく歩いたが中々スリに会わず、お財布を落としてしまう。


「うむ、量が少ないと訪れる不幸も来るのが遅いのか」


「はい、そうみたいです」


まあ、ちょっとだからダメージは少ないが……。

今度はお財布に沢山お金を入れて歩いてみる事にする。

すると数秒歩いてみただけで私はスリに会ってしまった。

くっ、私も馬鹿じゃない。

そう何度もスラれてたまるか。

私はそう思いスリを追いかけた。


「この人スリです」


そう叫びながら走る中、私は転び、更に転んだ私に躓いた通行人が私にのしかかり、そして私の頭に鳥の芸術品が落ちてきた。


「素晴らしい」

「ナイス不幸じゃ」

「まさに絵に描いたかのような不幸っぷり」

「ベストオブ不幸じゃ」


すごい褒めてくれているのだろうけど、全然嬉しくない。

私はサーベリックちゃんに屋台の食べ物を奢って貰い、それを食べようと口を開いた瞬間。

私の食べ物に鳥の芸術品が落ちてきて、食べ物が台無しになった。


「何と、こんな時まで不幸とは……」

「お主とおったら退屈せんの」


いや、そう言われましても……。

私は心の中で溜め息を吐き出すのだった


第13話 完

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