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第10話[これが日菜殿です]

緑ちゃんに誘われて私は一人、街の中心にある噴水の前に立っていた。

少し遅れて二人がやって来て、私にお財布を渡して来る。

それを断るも緑ちゃんがしつこくお財布を渡して来るので仕方なく私がお財布を持つ事に……。


「此処に美味しい屋台があるんだ」


地図を広げ、私達はレイナちゃんの言う屋台へ向かう事にした。

それにしても、この街の人達は避ける事を知らないんだろうか?

やたらとぶつかって来る。

少し不快感を抱きながらも私達は目的の屋台へとたどり着いた。


「それじゃ私、三人分買ってくるね」


そう言って私は屋台に向かい、三人分の食べ物を注文した。

うーん、ソースのいい匂い。

前の世界で言う、キャベツ巻きをクレープみたいに巻いた感じだろうか。

期待を胸に抱きつつ、私はお財布を取り出そうとした。


「あれ?」

「お財布が無い……」


私の呟きを屋台のおじさんが聞いていたのだろうか、おじさんが反応し、財布が無いのか尋ねてきた。


「はい、落としたみたいです」


「ちょっと、困りますよ」

「もう焼いちゃったじゃないですか」


そんな中、レイナちゃんが私を助けてくれた。


「おっちゃん、親父にツケといてくれる?」


どうやらレイナちゃんの育ての親と知り合いらしく、この場は何とか丸く収まった。


「はあ、やっぱり私にお財布を持たせるのは無謀なのかな?」

「また落としちゃったよ」


「いえ、日菜殿はお財布を落としてませんよ」

「スリにあってました」


えっ、スリ?

そういえばやたらとぶつかって来た人が居たけど、アイツら全員スリな訳?


「二人目以降は財布が無い事に舌打ちしてました」


「いや、スリにあってたって分かってたなら教えてよ」


「ごめんなさい」


うっ、素直に謝られるとこれ以上怒れないよ……。


「あっ、そうだ」

「日菜殿、久しぶりに火炎柱が見たいです」

「レイナ殿にも見せてあげて下さい」


えっ、そう?

もう、仕方ないなぁ。

ちょっとだけ見せてあげようかな。

そんな事を考えながら私達はモンスター討伐の為に国を出ようと門へ向かった。

その道中、私は動物の芸術品を踏んでしまい川で靴を洗う羽目に……。

う〜、何か今日はついてないなぁ〜。


第10話 完

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