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第7話[付き纏う緑]

翌日、奴は私の家に来ては私を見つめ一人で何かを考えている。


「もうお昼ですか、あっコレ、スタリエ殿からお世話になるんだからってお弁当を預かっています」

「良かったらどうぞ」


「あっ、こりゃどうも……」


っじゃねーよ。

何弁当持って来てんだよ。

帰れよ。

ったく、何なんだよコイツ。

そう思いながら私は弁当を一口食べる。


「うめーじゃねーか」


「そうですよね」

「スタリエ殿は料理の天才なんです」


聞いてもねーのにスタリエって奴が食堂を開いた話しを勝手にしてくる。

っくそ、不味かったら吐き出して目の前でゴミ箱に捨ててやったのに。

そんな事を思いながら私は楽しそうに話しをするコイツを見て、いつの間にか笑顔になっていた。

くそ、何笑顔になってんだよ私。

なんか調子狂うなぁ。


数日後。


「レイナ殿、今日も来ました」

「朝ご飯もありますよ」


「本当か緑、うーん今日も美味そうだ」


私は緑と楽しい朝食をとっていた。


「そうだ、何故レイナ殿が武器を作らなくなったのか分かりました」

「友人を止めようとしなかったから」


「だから違うって言ってるだろ」


この数日間、アーちゃんの殺しやアーちゃんの母ちゃんの死など、そういったのが原因だと緑は考え私に話してくるが……。

ちょっと違うんだよな。

そもそも、私は悪政の時代から育ったんだ。

武器が命を奪う物だと親父からずっと教わってきた。

だから、その事については何も思わない。

そう言ってるのに緑の奴は……。


「緑、せっかくのご飯が不味くなる」

「だからこの話しは今は無しな」


「申し訳ないです」

「私レイナ殿の事、何も考えられていない……」


そんな落ち込んだ顔を見せるなよ。

全くコイツは変な奴だな。

そう思い、私は困った様に笑っていた。


第7話 完

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