第3話[その後後編]
薬を完成させたサーベリックと父を殺す為の武器を完成させたレイナは私の部屋にソレらを届けに来ました。
「どうだこの剣」
「子供用にしたから刃は通常より短めだが、どんな物でも切り刻めるぜ」
そう言って見せてくれた剣は今まで見たどの剣よりも美しく輝いて見えました。
「ほれ、頼まれていた薬だ」
「レーちゃんの分もある」
そう言うとサーベリックは私とレイナに薬を二つずつ配りました。
「サーちゃん、どうしてレーちゃんにも薬を?」
「そんなの決まっているじゃろ、私達もアーちゃんについて行く」
「そんな、もし失敗すれば死罪になるかもしれないのに……、駄目、ついてきちゃ絶対に駄目」
そう言って二人を止めたのですが……。
「馬鹿だなアーちゃんは、アーちゃんが居ない世界何て、私達には死んだも同然」
「そうじゃ、それに幾つかの錬金術で作った道具もある」
「失敗すればこの国から三人で逃げ出そう」
今思い出しても本当に嬉しい言葉でした。
こうして私達は父の部屋に忍び込む為に二つの薬を飲みました。
一つは周囲に擬態し姿を消す薬。
もう一つは姿を消した者同士が感知し合える薬です。
この薬を二つ飲めば、お互い姿を消したままでも、居場所や姿形が感知でき、一緒に行動できるようになります。
そして私達は父の部屋に忍び込み、そして……。
「父を殺し玉座についた代償に私は愛する母を失いました」
母は最低な父を愛していました。
私よりも父を愛していたのかも知れません。
だからこそ、私を貶し、そして私の前で自害しました。
「レーちゃんなら職人街に居ると思います」
「ただ、武器を作ってくれるかは分かりませんが……」
女王様の話しを聞いて、日菜達は職人街へ向かった。
第3話 完




