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第45話[魔物の住む国後編]
街の外では住人達が次々と兵士に襲われていた。
俺は剣を持ち戦う事にした。
それを見た住人達も倒れた兵士達から武器を奪い戦う。
どれだけ時間が経っただろうか。
街の道端には兵士達の死体が転がっていた。
「すまない皆んな、俺のせいで……」
涙を流す俺に街の人達は優しく声をかけてくれた。
俺はこの街が大好きだ。
この街の人達が大好きだ。
生まれて初めて俺は人を殺す為の武器を作った。
いや、人じゃない。
魔物だな。
人の皮を被った魔物だ。
そいつら魔物を殺す為の武器を俺は作り、街の人達に配って回る。
何度でも戦ってやる。
この街を守る為に何度でも……。
数ページ先に血で汚れたページがあり、大きな文字でこう書かれていた。
娘が拐われた。
第45話 完




