表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/367

第32話[きまぐれ]

誰も居ない路地裏にリーサは一人の少女を呼び出していた。


「話しって何?」

「私、忙しいんだけど」


自分と視線を合わそうとしない彼女にリーサは笑顔を向け、日菜から頼まれたお願い事を彼女に話した。

両親の病気が治りそうな事をペンダに伝えて欲しい。

その事を伝えられ、彼女は直様反論した。


「はっ?」

「ふざけないでよ」

「そんな事言ったら、私キャバクラで働けなくなるじゃない」


「別に止めろと言っている訳じゃないの」

「日菜さんはもうペンダさんを騙さないで欲しいと言ってるの」

「簡単な事でしょ?」


「何が簡単よ」

「大体あんな金ヅル、そう簡単に手放せる訳無いじゃない」

「やっと、お店でトップ取れたっていうのに……」


当然ながら日菜のお願い事を断る彼女に、リーサは笑顔のまま、何処か冷たく彼女に向かって言葉を放つ。


「いいから黙ってやれよ」

「じゃなきゃ、店ごと潰しちゃうぞ☆」


こんな事だろうと思った。

腹黒で一部有名なリーサに呼び出されたんだ。

きっとロクな事が無い。

かといって彼女に逆らえば、この街で住みづらくなるのも事実、だから……。

ペンダから巻き上げた金の一部、二百万ベルをリーサに差し出す。


「コレで今回の件、手打ちにしない?」

「私もあんたを敵に回したく無いからさ」


リーサは作り笑顔を止め、無言で彼女を見つめた。


「足りなかった?」

「五十、いや百上乗せするわ」

「だから……」


「私が聞きたいのは、やるか、やらないか何だけどなー」


しばらく沈黙が続き、彼女はお金をしまい「やります」と答えた。

リーサは再び笑顔を作り、彼女にお礼を言ってその場を去ろうとする。


「どうして、どうしてそこまでするの?」

「勇者達に恩を売っておきたい為?」


リーサは立ち止まり答える。


「さあ、別にあなたに答える必要なんて無いと思うんだけど」


そう言い残してリーサはその場から去って行った。


第32話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ