第31話[心の中]
昨日一日、呪活に励んでいたジュノだったが、勇者にコレと言った効果は無く、呪い何て馬鹿らしいと思い改心する事に……。
そしてジュノは今、勇者達の前で弟子にしてくれと頭を下げていた。
「うむ、じゃあ早速使用済みのパンツをよこしたまえ」
「はい、師匠」
ゆっくりとパンツを脱いでいくジュノをスタリエは慌てて止め、日菜は勇者の頭を杖で叩く。
「師匠、大丈夫ですか?」
「おのれ魔法使い、呪いますよ?」
全然改心して無いじゃん。
日菜がそう思う中、リーサが出勤して来て日菜に請求書が届いていた事を話し、請求書を手渡した。
「あの、勇者さん?」
「昨夜、キャバクラには行かれましたか?」
逃げようとする勇者の首根っこを掴む日菜。
スタリエは緑に指示を出し、ペンダも連れて来られ、二人は正座させられる事に。
「どうしてまた行ったの?」
「しかも、こんなに豪遊して」
請求書を突きつけられ、勇者は土下座して日菜に謝った。
「どうしても行きたくなっちゃって、嫌がるペンダを無理矢理連れて行っちゃった」
「ごめんね日菜ちゃん」
「勇者……、いや悪いのは私だ」
「私が勇者を無理矢理誘ったんだ」
何故か庇い合いが始まり、日菜は溜め息を吐いた。
そんな中、ペンダが昨日、清純派美少女のキャバ嬢にあった事を日菜に話した。
「あの子の両親、まだ病気が治らないみたいなんだ」
深刻な表情で話すペンダを見て、日菜は何も言わずに許す事にした。
そんな日菜にリーサが近づき、ペンダが騙されている事を耳打ちする。
「私、あの子を知っていますが両親どころか祖父母も元気で生きています」
「お金、取り返しましょうか?」
リーサの問いに日菜は首を横に振り応えた。
そして日菜は二人を解放し、リーサにあるお願い事をした。
それを側で聞いていたスタリエが日菜に本当にいいのかと尋ねる。
「うん、あの時のペンダの顔を見て思ったの、彼女の事を本気で心配してるんだって」
スタリエは溜め息を吐き、日菜が納得しているのならと言って笑顔を見せる。
「日菜さんって、優しいんですね」
そう言って日菜に笑顔を見せるリーサだったが、彼女は心の中では笑っていなかった。
第31話 完




