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第25話[採用、二人目]

更に面接は続き、とんでもない人間が日菜達の前に現れた。

長く汚らしい黒い髪。

しばらくお風呂に入っていないのか、髪を掻いてはそれを匂う少女。

目にはクマがあり、幽霊かの如くニタリと笑う。


「えっと、どうして当店に面接に?」


不採用確定だけど形式的に面接を始める日菜だったが、後にこの事を後悔する事となる。


「フヒヒ、実は私、正義の為に働いているんです」


見かけによらず良い人なのかな?

やっぱり面接して良かった。

そう思い、彼女の評価を変える日菜。

どんな活動をしているのか尋ねると……。


「呪ってるんです」

「この街を悪くする悪徳貴族達や、一部人間などを……」


そう言って彼女は成果と称して呪った人物のその後の記事を日菜達に見せた。


(アカン、一番関わってはいけないタイプの人間や)


そう思いながら日菜は記事に目を通す。


(どうしよう、この子怖すぎるよ)


「ここは勇者様達のパーティーが経営しているんですよね?」

「そんな方達が、志しを共にする私を雇わないなんてあり得ないですよね?」

「そんな事されたら私……、傷ついちゃうかも……、フヒヒ」


この感じ、不採用なら私を呪い殺すつもりだ。

額に汗を滲ませる日菜。

助けを求めスタリエに視線を送る。


「スヤスヤ」


絶対に寝たふりをしている。

そう確信する日菜。

そんな日菜に彼女は不気味な笑顔を浮かべ、話しかけて来た。


「フヒヒ、よく寝てますね」

「お疲れなんですかね?」


何処が?

スヤスヤって言いながら寝る人間何ていないよ。

そう心の中で突っ込む日菜に、彼女は幾つかの条件を述べる。


「あっ、私怒鳴られるのとか無理なんで、後立ち仕事何かも得意じゃ無いので、そこの所よろしくお願いします」


既に採用されていると思い込んでる彼女に向かってララが文句を言う。


「あの?」

「仕事ナメてます?」

「貴方なんか採用しないし、するつもりもありません」

「大体、面接に来るならお風呂くらい入ったらどうですか?」

「それとも、お風呂が無いお家なんですか?」


顔を赤くし、ララを睨む彼女。

そして……。


「キエェエエーーーイ、タマタマタマデレンデプロヤナタンタナカヨ」


奇声を上げながらララの髪を数本引きちぎる。

それを舐め、変な人形に結びつけた。


「私に恥をかかせやがって、今呪いの言葉を言ったからな、フヒヒ恥をかかせてやる」


執拗に人形の尻を針で刺し始める彼女に日菜と寝たフリをしているスタリエの顔が青くなる。


「尻系は人間の恥になる事が多いからなぁ」

「フヒヒ、プロヤナタンタナカヨ」


「何を馬鹿な……」


途端に座っていた椅子が壊れ、尻餅をつくララ。

日菜とスタリエは急いで彼女を止め、その場で彼女を採用する事にした。

こうして日菜達は新たに二人目の従業員を確保したのだった……。


第25話 完

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