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第17話[黒い悪魔]

酒場へ乗り込んだ勇者はクエストを発行している可愛い受付のお姉さん……、ではなく、何故か酒場のバーテンダーのオッサンの胸倉を掴み、恫喝していた。


「いいから、さっさとこの街で一番偉いジジイの家、教えろよ」


「ですから、私はバーの一部を貸しているだけであって、そう言った苦情は受付にお申し付け下さい」


受付を見る勇者。

可愛い受付嬢が手を振ってくれている。


「あんな可愛い子に……、いや、顔何て関係ない」

「私は、全女の子の味方だ」

「そう、そんな女の子達に恫喝何てできる訳無いでしょ」


そう叫ぶ勇者にバーの店主がツッコミを入れる。


「なら優しく言えばいいだけでは?」


「うるせぇ、早く言わないのなら、この黒いテカテカの昆虫型の魔物を置いてくぞ」


勇者の手に握られた黒いテカテカした昆虫型の魔物。

店主はそれを見て、一瞬で顔が青くなった。


「それは、繁殖力が強く、見た目の気持ち悪さから食欲を無くすと言われる伝説の飲食店殺しの……」


それを聞き、勇者がニタリと笑う。


「そう、この世界で有名な飲食店殺しのテカリーナクロピカーナよ」

(前の世界ではゴキ◯リと呼ばれていたけど……)


勇者とバーテンダーのやり取りを見て日菜は溜め息を吐きながら、勇者の頭を杖で叩く。

その反動で勇者の手からテカリーナクロピカーナが落ち、店主の悲鳴がバー内に響き渡った。

瞬時に土下座する日菜。


「謝らないで下さい」

「てか、早くテカリーナクロピカーナを捕まえて下さい」


頭を下げてお願いする店主に日菜は即答した。


「無理です」

「許して下さい」


「えっ?」


「本気で謝ってます」

「だから許して下さい」

「お願いします」

「私、ああいった虫、苦手なんです」

「だから……」


顔を上げる日菜。

店主の絶望した表情を見て、日菜はそれ以上何かを言うのを止めた。


「いや、何で日菜が捕まえなきゃならないのよ」

「勇者が原因なんだから勇者が何とかしなさいよ」


「うん、分かってるよ」


責任を感じ、勇者はテカリーナクロピカーナと戦う覚悟を決める。

店主から虫撲滅棒(ハエ叩きの様な物)を渡され、テカリーナクロピカーナを追う勇者。


「追い詰めたぞ」


勇者が虫撲滅棒を振りかざしたその瞬間。

テカリーナクロピカーナは羽を広げ、勇者の前へ飛んで行く。


「えっ?」


テカリーナクロピカーナの決死の特攻。

勇者は即座に仰け反りそれを交わす。

だが、足を滑らせて頭を床に強く打ち、そのまま気絶してしまう。


「テカリーナクロピカーナ、カスだと思っていたが、やるじゃねーか」

「勇者を倒したその実力」

「私が試してやるよ」

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