第13話[スペースドラゴン]
スペースドラゴンの巣があると言われている洞窟に日菜達は来ていた。
辺り一面、眩いダイヤが夜空の星空の様に煌めいている中、日菜達の前にスペースドラゴンが現れた。
「オメーがスペースドラゴンか……」
最後まで話しを聞かずにペンダに向かって炎を吐くドラゴン。
その様子を日菜達は黙って見ていた。
「ケッ、流石……」
再び炎に包まれるペンダ。
かなりのダメージを受け、片膝をつく。
「えっ?」
「何コレ?」
「何か想像と違うんだけど……」
放心状態の日菜。
そんな日菜に緑が叫んだ。
「日菜殿、ここは私が引きつけます」
「隙を突いて呪文を……」
「分かった」
日菜が頷くのを確認すると緑はドラゴンに攻撃を仕掛けた。
ダメージは与えられないが、これで十分。
ドラゴンといえど所詮は知恵の無い獣同然。
これで気を引けるだろうと考えていた緑だったが……。
「あれ?」
「緑ちゃん?」
「何かこっち来るんですけど……」
「私を追って来るんですけど」
何故だか日菜を執拗に狙うスペースドラゴン。
「くっ、こうなりゃヤケだ」
「皆んな、私が引きつけて置くから攻撃を……」
日菜の叫びに頷き、ララが呪文詠唱を始める。
そして……。
「これが私の必殺技」
「フリーズドライ」
そう叫び、最強の氷魔法を唱えるが、スペースドラゴンには全く効かなかった。
「どうやら氷耐性があるみたいですね」
いや、冷静に言わないで……。
私、凄いピンチだからね。
「全く、此処は私の出番かしら?」
「行くわよ」
「風の精霊よ力を貸して、究極風魔法」
「ごちゃ混ぜハリケーン」
洞窟内に落ちている石などがハリケーンに巻き込まれ、魔法の威力を高めていく。
そんなハリケーンに包まれるドラゴンだったが、全くの無傷だった。
「どうやら、風耐性どころか防御力も高いみたいね」
いや、えっ?
スタリエさん……?
諦めないで、二人で合体魔法とか無いの?
じゃなきゃ、私食べられちゃうよ。
ここでリタイアなの?
絶望する日菜の前に勇者が仁王立ちする。
「ここは……」
勇者は日菜にカッコつける間も無く、ドラゴンの炎に包まれるのだった。
第13話 完




