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第2話[変態vs変態]
戦わないと前へ進めない。
こんな状況の中、勇者はララの肩に手を置いた。
「私が行くよ」
そうカッコつけ、勇者は剣を抜き構える。
ペンダも狙いの勇者が相手で張り切る中、勇者は剣を構えてから一歩も動かないでいた。
「どうした?」
「まさかテメー、ビビってんのか?」
「勘違いしないでよ」
「私はあんたの攻撃を待っているの」
ニタリと笑う勇者を見て、ペンダの額から冷や汗が一滴、流れ落ちる。
まさか、コイツ……、あの事を知っているのか?
誰にも話していない、あの事を……。
「ガチュミちゃんから話しを聞いて、そして会ってみて分かった」
「隠しているのなら、言わないでいてあげる」
「だけど私は、あなたと違ってドMなのをオープンにしているけどね」
「隠す気ゼロじゃん」
思わず日菜が突っ込んだ。
「くっ、会ってみて分かっただと……」
「私はそんな素振り見せた事ないぞ」
「分かるのよ」
「私もドMだから、匂いでね」
「いや、そんな匂いしないから」
日菜は再び溜め息を吐いた。
いつになったら進めるのコレ?
第2話 完




