15/367
第15話[施錠]
この日、日菜は覚えたての施錠スキルを使いドアや窓に鍵をかけ、ベッドで寛いでいた。
廊下の軋む音が聴こえ、ドアノブがガチャガチャと回り始めた。
日菜は布団を覆い、勇者が諦めて帰るのを待つ。
しばらくして、ドンドンと強い衝撃音が響き渡り、日菜は恐怖した。
「流石だね日菜ちゃん」
「だけど、私だって勇者なんだからね」
「施錠スキル何かには負けないよ」
「待っててね、日菜ちゃん」
怖い怖いと連呼して布団の中で日菜は震え、そしていつの間にか眠りについた。
翌朝、日菜は施錠スキルを解き、窓を開け朝日を浴びる。
何故だか勇者は外で寝ていたそうだが、とりあえずこれからは快適な朝を迎えられる事を知り、日菜は安堵した。
第15話 完