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第34話[人魚の女王]
憎い。
村人達が憎くて憎くて仕方がない。
私の愛する人の命を奪った、あの村が憎い。
魔王からの使いで来た仮面を被った女性が教えてくれた。
彼が何故、自ら命を投げ出したのかを……。
あれは自殺なんかじゃなかった。
あれは……。
憎しみに満ちた瞳。
薬の効果で人魚の女王の見た目も変わる。
そして、憎しみは伝染し多くの人魚達は姿を変えた。
影は仮面の下でほくそ笑みながら、実験の成功を喜んだ。
さあ、殺せ。
より残酷に、より惨たらしく、海を人々の血で赤く染めるのだ。
憎しみで人魚達が唸り声を上げなる中、城内では影の笑い声が響き渡っていた。
第34話 完
