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第30話[本来の目的]

伝説の鍛冶職人の末裔が住む街を教えて貰った日菜達だったが、すぐに向かえる状況じゃない。

何故なら、人魚の討伐を依頼されているからだ。


「人魚なら私が討伐しておきます」

「ですから、しもべ殿は早く町へお急ぎになって下さい」


しもべ殿って呼ぶのは止めて欲しいなと思いながら、日菜はその申し出をキッパリと断った。


「流石日菜ちゃん」

「私も同じ考えだよ」

「勇者たる者、村人が困っていたなら助けなきゃね」


人魚討伐にやる気を見せる勇者を見て、日菜の勇者に対する好感度がグングンと上がっていく。

勇者のこういう所は本当に尊敬できるし、大好きだ。

やっぱり何だかんだで勇者なんだなぁ。

と日菜が思っていると、勇者は日菜に手を差し出した。


「人魚を釣る為の餌を出して」

「ほら、早く」


いや、やっぱりクズだ。

改めて評価を変える日菜。

勇者を無視して人魚討伐の作戦会議を始めた。

そんな中、フードを被った少女が挙手をして、ある提案をする。


「私の下着を使って貰っても構いませんよ」

「ですが、お恥ずかしい話、しばらく洗っていないので少々、匂うかも知れませんが……」


顔を赤らめる少女に勇者は手を差し出した。


「まあ、人魚の餌に使えるかどうか分からないけど最終手段として受け取っておこうか」


絶対に自分の物にするつもりだ。

日菜とスタリエは勇者に冷たい視線を送りながら、その提案を却下した。


「でしたら、女王様秘伝の魔物を誘き寄せる秘薬なんかは如何でしょう?」


過去、勇者達を鍛える為に作り出した秘薬。

これならと日菜達は少女の案内の下、秘薬を取りに向かった。


「しっかり付いて来て下さいね」

「我が墓守一族にしか分からない道を通りますんで」


しばらく歩き、そして女王様の部屋にたどり着く。

安物のムチやアダルティな衣装、それらが散らばる中、日菜達は人魚の餌になりそうなパンツを探していた。


「ねぇねぇ、緑ちゃん、コレ着てみない?」


そう言って緑に見せるアダルティな衣装。

日菜は勇者を杖で叩き、緑を抱き寄せた。


「緑ちゃんに変な物を見せないで」


そう言って、緑を勇者から遠ざける日菜。

そんな中、少女は引き出しを開け秘薬を手にして、それを勇者に手渡した。

勇者達は顔を見合わせ、そして頷く。

これで人魚を討伐できる。

そう思い、日菜達は海底神殿の入り口を目指した。


第30話 完

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