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第12話[料理には心が必要だよね!]

選んだ料理がスタリエの作ったコロッケでは無いと知るや否や、フォローしようと一生懸命にスタリエに話しかけるが、返ってそれがスタリエの心を傷つけてしまう。


「どうして私の料理が負けたの……」


ボソリと呟くスタリエ。

この能力は女神様が与えてくれたチート能力。

それなのに、それなのに私が負ける何て……。

心の中で嘆くスタリエに彼女は言う。


「あなたの料理には心がこもっていない」

「だから私に負けたの」


心がこもっていない。

ただそれだけで私が負けたというの?


「確かに、あのコロッケにスタリエちゃんの髪の毛が入っていれば、私はスタリエちゃんのコロッケを選んでいたかも」


日菜に命じられ、緑が勇者を縛りこの場から退場させる。

そんな中、ララが疑問に思い優勝した彼女に話しかけた。


「ちょっと可笑しくないですか?」

「あなた、予選でも一次二次審査でも、突破した中で得点は最下位でしたよね?」

「心云々というより、ただ決勝戦で得意料理を出して、スタリエさんより美味しかっただけでは?」


ララの言葉に優勝した彼女は笑った。


「あれはただ、目立って警戒されたくないから手加減しただけに過ぎないわ」

「私が本気を出せば満点は必ず取れるもの」


「いや、料理に心と言うのであれば最初から心を込めて作ろうよ」


そうツッコミを入れる日菜に対し、優勝した彼女はこれは戦略だと反論する。

そんな中、スタリエが呟いた。


「私に足りなかったのは愛情って事?」


愛一つで美味しくなる何て、そんな事あり得る訳が無い。

だって、それで美味しくなるのなら私は死ななかった筈だもの。

それとも何?

愛情が無かったとでも言うの?

それこそあり得ないわ。

彼女は私の笑顔を見るために、チョコを作ってくれた筈、きっと愛情はたっぷりあったに違いない。

結果、あまりの不味さに死んでしまったけれど……。

それでも、私の敗因がそれだと言うのなら、私はそれを受け入れるわ。

スタリエは優勝した彼女を真っ直ぐ見つめて言う。


「もう一度、勝負してくれないかしら?」

「今度は愛情込めて作って見せるわ」


「本来なら断る所だけど、決勝戦で出した料理、我が国の誇る伝説の料理人、ヴェヴォール伯爵が作ったネロットを選んだセンスに免じて特別に引き受けてあげる」


ネロットってコロッケの事?

「よし、ジャガイモをとりあえず練ろっと」ってな感じで作ったからネロットって訳じゃないよね?

日菜はそんな事を妄想しながら「何か可愛い」と呟いて、一人でクスクスと笑っていた。


第12話 完


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