表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/367

第5話[トイレットペーパー]

雪花がマグマの国の女王様ではない事は分かった。

国王が国民を騙していたのも……。

ならどうするか、日菜はそれについて悩んでいた。

対話を試みるか、それとも戦闘で彼女を倒すか、日菜は悩みに悩み、対話をする事にした。


「ねぇ、ここは一つ引いては貰えないでしょうか?」


「ごめんなさい」

「それはできません」

「勇者を前にして、幹部として引く事は絶対にできない」


そう言うと雪花は立ち上がり、涙を流す。


「痛いかも知れませんが、我慢して死んで下さい」

「楽に殺してさしあげますから」


雪花は魔法を唱え、複数の氷柱が日菜達を襲う。

だが、それを全て緑が切り雪花の攻撃を防ぐ。

そんな中スタリエが日菜に魔力回復薬を手渡し、火炎柱を放つ様に指示を出した。


「いや、火炎柱使っても意味ないから」


自分の必殺魔法が役に立たない事に不貞腐れる日菜にスタリエは手を回し彼女の耳元で囁く。


「大丈夫大丈夫、相手の視界は奪えるからそのまま勇者がグサっとね」


うぅぅ、フォローもしてくれなくなった。

日菜はショックを受けながらも、回復薬を飲み干し、火炎柱を放つ準備をする。


「すごい炎ー」


決め台詞も適当に済ませ放つ火炎柱。

物凄い炎が雪花を包む。

どうせ周りから見たら派手なだけで、上からみたら真ん中は空洞なんだろうなぁ。

まさに上からみたらトイレットペーパーの様に。

いっその事、ペーパー炎と命名しようかな。


「今よ勇者」


火炎柱の炎の勢いが弱まり、スタリエの叫びと同時に動き出した勇者だったが……。


「いぃ、ちょっとコレ」


体中溶けかけの雪花を見て、誰もが口を押さえた。

グロい。

そう誰もが思う中、日菜はスタリエに回復薬を要求する。


「えっ?」

「何に使うのよ」


回復薬を日菜に手渡し、そう尋ねるスタリエ。

日菜は何も答えず、雪花の所へ走った。

回復薬を雪花に飲ませ、雪花の体が元に戻っていく。


「どうして私を助けるの?」


その問いを無視して日菜は雪花を抱きしめる。


「雪花ちゃん大好き」


いきなりの日菜の告白に顔が赤くなる雪花。

それと同時に驚く勇者一行。


「日菜、どうしちゃったの?」


急に可笑しくなった日菜を心配するスタリエ。

そんなスタリエに続き、緑も日菜に語りかけた。


「そうですよ」

「勇者殿なら兎も角、日菜殿、急にどうしちゃったんですか?」


そんな二人に日菜はうるさいと叫ぶのだった。


第5話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ