第2話[またか]
私達は今、街で買い物をしている。
マグマの国、恐らく暑いだろうから薄着の可愛い洋服を用意しないと、そう思い近場の街でショッピングを楽しんでいた。
「はあ、マグマの国すっごく楽しみだな」
岩盤浴にサウナ、そして温泉。
更に現代で言うところのエステとかがある。
年齢的にまだ若いけど、私達も乙女。
なんだかんだ美に興味があるお年頃。
そんな感じで盛り上がり、マグマの国についたのだけど……。
「何これ寒い」
まあ、嫌な予感ならしていたよ。
マグマの国に近づくにつれ、徐々に寒くなっていくんだもん。
いきなり「うわっ、あっつー」何て事にならない事くらい流石に分かるよ。
何で、何でこんなに寒いの?
凍え死にそうだよチクショウ。
「とりあえず、防寒着を買いましょう」
スタリエさんは体を震わせ、防具屋に向かう。
「なっ、嬢ちゃん達そんな薄着で馬鹿じゃないのか?」
「ほら、中に入って温まれ」
そう言って、店の中へ案内され、暖炉の前で温まる。
弾ける木材の音を聴きながら、私の体が温まっていくのを感じる。
その中、防具屋の主人が防寒着をいくつか見繕ってくれた。
「ありがとうございます」
「ところで何故、この国はこんなに寒いんですか?」
主人は頭を掻きながら、色々と教えてくれた。
何でも王様と結婚した女王様が原因だとか……。
それを聞いた私は思った。
また女王様かと。
「て事は岩盤浴は?」
「何だ嬢ちゃん達、岩盤浴目当てにきたのか?」
「残念だが、今は中止だ」
「そのかわり、雪で家を作って炭火で餅を焼いて食べれるぜ」
雪で家って、かまくらかぁ。
緑ちゃんは目を輝かせているけど……、ちょっとなぁ。
スキー場とかあれば別だけど、この世界じゃねぇ……。
仕方がないので、私達は王様に挨拶をする事にした。
「そんな……、先にかまくら作りたかったのに……」
残念そうな表情を浮かべる緑ちゃんを見て、私は心の中で囁いた。
緑ちゃん、後でかまくら付き合ってあげるから、今は我慢してね。
第2話 完




