第12話[いざっ、宝探し]
氷の国の女王様から感謝された。
王様も女王様の不倫を、呪いのせいだからと言って許し、二人の愛は更に深まったとか……。
そんな二人からダイヤの発掘の許可を貰い、私と勇者と緑ちゃんの三人で、女王様から派遣されたタンクトップが似合う屈強な男達の案内の元、ダイヤの発掘へ向かっている。
私は目を閉じて、あの時の事を思い出す。
「女王様、どうかお考え直しを、屈強な男達じゃ無く、美少女の派遣をどうか……」
額を地面に擦りつけ、懇願する勇者。
そんな勇者に女王様は首を横に振る。
「申し訳ない勇者殿、我が国の女性達ではダイヤの発掘は無理なのじゃ」
「並の男でも発掘する事ができぬ」
「だから、その道のプロを呼ぶしかないのじゃ」
なら仕方ないと諦める勇者では無かった。
「発掘には我がチームのエース、緑ちゃんがいます」
「なので、男は必要ないのです」
「必要なのはそう、チアガールです」
私は溜め息を吐き、勇者を無理にでも立たす。
「勇者の言う事は気にしないで下さい」
回想を終え、私は目を開けた。
「ここから険しくなりますぜ」
「うるせぇ、顔近づけんな」
悪態を吐く勇者の口を塞ぎ、私は派遣された男性に謝った。
「お願いだから失礼な事を言わないで」
「だって……」
「今度添い寝してあげるから」
「お願い」
「本当に、約束だよ」
「嘘ついたら怒るからね」
私は頷き、溜め息を吐く。
これもスタリエさんの為……。
第12話 完




