第10話[光山影後編]
「ゴミを片付けてあげたの、スッキリしたでしょ?」
何も話さない黒騎士に影はお礼の言葉を要求した。
「ほら、どうしたの?」
「ありがとうございますって言うの、分かる?」
黒騎士は歯を食いしばり、拳を強く握る。
それでも逆らう事が出来ず、黒騎士は要求されるがまま、お礼の言葉を口にした。
「随分と反抗的な目ね」
「いいわ、相手になってあげる」
「どちらが上か、しっかりと教えてあげるのも上司の役目だもんね」
そう言って、二人の戦いが始まった。
怒りのまま突っ込む黒騎士に対し、影は人差し指を黒騎士の目に突き刺した。
そのまま、グリグリと指を動かして黒騎士の目玉を抉る。
あまりの激痛に悲鳴をあげ、片目を押さえ、のたうち回る黒騎士。
そんな黒騎士を見て、影はお腹を抱えて笑っていた。
「ごめんなさい、人差し指で勝っちゃった」
「これで分かったでしょ、もう私に逆らったら駄目だからね」
影はそう言うと、えぐり取った目玉を戻し、回復薬を黒騎士にかけ、立ち去っていった。
黒騎士は子供達を失っただけで無く、プライドまでズタズタにされたのだ。
その様子を見て、妾達は相談し黒騎士を食事に誘った。
慰める為に……。
第10話 完




