第6話[少女キャラはチョロイんです]
剣を落とす勇者。
そして、勇者と緑は声を揃えて叫ぶ。
「「可愛い」」
「超可愛いんですけど」
「ですね、ですね」
二人がそう言って、はしゃいでいる中、ララは呪文を唱え始める。
そんなララを慌てて止める二人。
「何するんですか、早く殺さないと」
子供を殺すつもりかと反論する二人にララは正論をぶつける。
「相手は魔物なんですよ」
「それも幹部」
「それに、奴を倒さないと日菜さん達が……」
それを聞いた緑の額に冷や汗が流れる。
確かにそうだ。
奴を倒さないと日菜殿達は助からない。
だけど……。
あんな可愛い子、絶対に殺せない。
そう考える緑の肩に勇者は手を置いた。
「大丈夫、私に任せて」
そう言って、勇者は前にスタリエに作ってもらった飴を取り出し、ガチュミに見せる。
その様子を見たララが溜め息を吐いた。
「何じゃあ、毒か?」
「残念ながら、妾は毒は大好物じゃ」
勇者から飴を受け取り、それを口に運ぶガチュミ。
幾ら見た目が幼女だろうと、相手は魔王軍幹部。
飴なんかに買収されたりなどしない。
そう思っていたララだったが……。
「ほわっ、何て美味さじゃ」
「そう、良かった」
「まだ飴が……、あっ、無かった」
「どうしよう」
「呪いを解いて、皆んなを自由にしてくれたら、また飴が作れるんだけどなー」
勇者はガチュミをチラ見する。
「何と、分かった」
「この国の呪いを解いてやろう」
「だから、もっと飴を頂戴」
こうして氷の国は救われたのだった。
第6話 完




