第5話[おかしな女王様]
勇者は剣を振りかぶる。
その間、女王の取り巻き達が女王の盾となるが、それを勇者は容赦なく斬り伏せていく。
次々と恍惚な笑みを浮かべながら倒れていく男達。
「緑さん、私達は何を見せられているのでしょうか?」
「さあ、分かりません」
肉の盾が破られたというのに余裕を見せる女王。
「いいでしょう」
「私の力、お見せしましょう」
そう言って呪文を唱え始める女王だが、勇者の方が速かった。
勇者の攻撃を受けた女王は奇声を発し、何やら口から黒いモヤみたいなものが吐き出されていく。
「何ですかあのモヤ、何か気持ち悪いんですけど……」
そう言うとララは、黒いモヤめがけ呪文を唱え魔法を発動させるが……。
「ぐっ、最近の子は待つ事も知らんのか」
「この、馬鹿たれが」
モヤに怒鳴られ、ララはつい謝ってしまう。
そんなモヤに勇者が話しかける。
「黒いモヤから美少女がっていう展開を期待したけど……」
「さっきの台詞聞いて、期待出来なさそうだったから、殺すね」
そう言うと勇者は剣を構えた。
「待て、妾は魔王軍幹部の中では可愛い方だぞ」
疑いの眼差しを向ける勇者に、モヤはセクシー担当だと告げる。
「ちなみにカップは?」
「Aだ」
怒りに震え、剣を強く握る勇者。
「待て、待つんだ」
「胸の大きさで判断するでない」
「妾はガス系統の魔物だから胸は仕方ないのだ」
そこまで言うのならと勇者は剣を下ろし待つ事にする。
女王の口から全てのモヤが吐き出され、形が形成されていき……。
そして勇者の前に背の小さい、露出が多めの少女が現れた。
「フン、どうじゃ可愛かろう?」
「妾こそ、魔王軍幹部最強のガチュミじゃ」
第5話 完




