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これからの方針2




 俺はリンコンの伝えてくれた事を皆に説明した。

皆は夢物語とか、今はそんな時間ではないと否定的な意見だった。確かにそうかも知れない。しかし、俺は全てを同じ様に進めたい希望があった。俺は皆に自分の考えを伝える。


 「皆、収容所の人達をレミーさんのアジトに移動するのには、数日必要だよな?その間だけ、俺達に時間をくれないか?必ず5日で返って来る。もし地下都市があればとりあえず様子を見てくる。俺とリンコン、ヴィヴィアン卿で行く。それに、フェイト卿の魔導部隊の強力があれば、移動に関しては問題ないよな?」


 フェイト卿が答える。


 「確かにそうですね、私は問題ないですが」

 「そうか、ならば直ぐにでも出発したいと思う。いいかなリンコン、ヴィヴィアン卿?」


 ヴィヴィアン卿が答える。


 「まあ、僕は構わないな。少し都市伝説みたいなものも興味あるしね」


 リンコンは俺の方を見て頷いている。


 ジェームズは仕方ないと言った表情で見ていたが否定も肯定もしないような感じだ。ヴィスコンティ卿は少し呆れた様に見ていたが、少し興味もありそうな感じだった。


 「よし、じゃあすぐに行動に移そう。収容所の人々にはそれぞれ移動する旨を伝えて欲しい。もしここから移動したくない者がいたら、それに応じた対応をして欲しい。面倒を押しつけるようで申し訳ないが、皆よろしく頼む」


 皆はそれぞれに動くべく、部屋を出て行った。もう日も落ち、空には星と月が見えていた。


 この場に残ったのは俺とリンコン、そしてヴィヴィアン卿だった。ヴィヴィアン卿が声をかけて来る。


 「それで、どうするのかな?」

 「ああ、今すぐにでも出発出来るけど?」

 「歩いて行く訳ではないのだろう?」

 「大丈夫!ギドラ、俺達を乗せて移動できよな?」

 「…問題有りません主人(マスター)


 ギドラは俺の肩から離れ、5メートルほどの大きさに変わる。


 「俺も乗った事は無いけど、問題ないだろう」

 「ははは、これはいいね」


 リンコンが思念を送って来る。


 「…なるほど、これならば1日もかからずに目的地に辿りつくだろう。興味深い」


 ヴィヴィアン卿は俺が乗るよりも早くギドラに乗って大きな首を撫でている。意外に子供っぽいところがあるのかも知れない…。


 俺とリンコンもギドラの背に乗り、俺はギドラに指示を出す。


 「よし、ギドラ出発だ!」

 「…わかりました主人(マスター)


 ギドラはゆっくりと翼を羽ばたかせる。風圧が埃を巻き上げる。

 やがて3人を背に乗せた金色の3つ首竜は空中へと飛び立った。


 「ははっこれはいいぜ!ギドラ目標は西だ!」


 星が輝く夜空に金色の竜が飛び立った。寂れた町の所々に火を起こしているのが見えた。何人かの人が指差してこっちを見上げているのがわかった。

 ローブのようなものを纏ったフェイト卿の姿が見える。近づいて来たアンジェラが、フェイト卿を怒鳴りつけていた。困ったような表情のフェイト卿の姿が段々と小さくなっていった。

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