転生そして最悪の環境
俺は平徹20歳、あまりぱっとしない大学生。なんとなく進学し、何をやりたいのかもよくわかって無い。バイクの免許もなんとなく取った。
必死にバイトをして、やっと手に入れたビッグ・.スクーター!俺の愛車だ。
俺はいつものようにビッグ・スクーターに乗って通学途中だった。
「ちえっ、混んでるな。それじゃ右車線に…」
右車線に出た瞬間だった。軽トラックがなんで?逆走?
ビッグ・スクーターは軽トラックに正面からぶつかった…
…………しかし、なんで逆走して来た軽トラックに…
…………乗ってるのは爺さんだったな…
…………あれが高齢者逆走事故って奴か…
…………あれ、俺はどうしたんだ?病院は?俺は今どこに…
…………そうだ、思い出した!俺は軽トラックにぶつけられたんだ、でも俺は、あれ?あれれ?…
…………死んで、るの???
「うん、死んどるようじゃ、間違い無い」
突然声が聞こえ、俺は声の主を探す。
すごくベタな白い服装、白髪に白髭の老人がそこにいた。
「うーむ、お主はありきたりの発想しか無いようじゃな?お主が考えた通りの姿が儂の姿じゃ、お主が思うている通り、儂は神じゃ」
「神様?」
「そうじゃ、しかしお主は運がいいのか悪いのか…これからお主はある場所で生き返る運命じゃ」
「俺は死んで生き返るのですか?」
「そうじゃ、しかし余りに不憫でのう…、そうじゃ、お主に少しだけ特殊な能力を授けよう」
「能力ですか?」
「うむ、この能力は良いことをすればするだけお主に力を与える能力じゃ。ああ、そうじゃ次の世界は色々な種族が共存する世界でのう、魔法や魔物なども存在するのじゃ、お主の手腕ひとつで王にもなれよう」
「俺が王になれると?」
「そうじゃ、その能力はお主が思った通りの能力が得られる。良い事をすれば必ずひとつポイントが貰える。その行いによって貰えるポイントが違うのじゃ」
「ポイント制か….」
「そしてこれから行く世界は、お主に取ってものすごく過酷な場所じゃ、心するがよいぞ…」
「ひとつ質問をしてもよろしいですか?」
「なんじゃ?」
「例えば、それは俺の友達が俺の頼みで良い事をしてくれてもポイントは付くのですか?」
「うーむ、まあ良しとしておこう、それではそろそろ時間じゃ、新たな生を楽しむがよいぞ」
目の前が真っ暗になっていった…
気がつくと俺は見たことも無い場所にいる。目の前に見えるのは鉄格子…?ここはいったい…
俺だけがこの部屋にいる訳じゃないのか、ここは牢獄なのか?俺以外に4人の者がここにいる。人間が俺を含め2人、獣人が2人、もう1人は何?竜のような人、竜人?
「おい、何だ目が覚めたのかトオル、明日も早くから仕事だぞ、寝とけ」
「ああ、済まないジェネラル」
「おい、もうジェネラルは辞めろって」
「え、ああ、済まないジェームズ」
「寝ろよ…」
何で俺は彼の事を…そうか、転生先の記憶も過去の記憶も持ってるのか、なるほど…
思い出して来たぞ!
さっきの髭の元将軍がジェームズ、冤罪で裁かれここに入って来た。そして獣人の2人がレイとキコ、竜人がリンコンっと…余り敵対してないな、仲もまあまあいい感じだぞ。
そうか、そして俺は、えーっ奴隷、奴隷なのか?
あの神様の言ってた過酷な運命ってこういう事だったのか…。
まあいいさ、奴隷から王になるのも悪くは無い。俺はとりあえず良い事をすればいいんだな、よし明日からいい事をやり続けてやるさ!
翌朝…
俺達は看守らしき奴らの声で目覚める。まだ辺りは暗かった。外に連れ出され、でかい石を運んだり、滑車を回したり、少し息をつくだけで監視役の鞭がとんでくる。
全く、ブラック企業も喜べるほど過酷な仕打ちだ。しかし、俺は耐える、絶対にこんな事やめにしてやるぜ!
やがて食事の時間になった。俺はいつも空いてるところにテキトーに座り飯を、と言っても残飯の雑炊みたいなものと水が与えられるだけだが、一応飯を食べる。その時近くの奴がスプーンを地面に落とした、俺は何気なくそれを拾ってやった。
すると目の前にタブレットのような表示が現れる。
…ポイント獲得 1ポイント
何だこれがいい事のポイントってことか?
とりあえず使ってみるか、ええとステータス、これか
体力を1アップと…
うーん今はまだわかんねえな
とにかくこうやって徐々に力を蓄えて行くしかないようだ、俺は王になれるのだろうか?