二人のデート
啓介はビール一杯と言ったが、それからも飲み続け、結局11時ごろまで飲んで帰った。
作家の言うことは、聞くもんじゃない。明日は大事なデートなのに!
早く寝よう。
海斗は早起きして、デートの準備をしている。持ち物は何持っていけばいいんだ?
財布とスマホだけ?何か足りない気が、とりあえずこれだけだな。何か足りなかったらどこかでかえばいいし。
後はどれを着ていくかだな、、、どれがいいんだろう?やっぱりかっこいいやつ?それともジャージ?
いつもそんな気にしてないからわからないーーー!!どうする?!どうするんだ俺?!
よくかんがえるんだ俺!これは好きな人とのデートだぞ!そんなの見られて恥ずかしくない服装だ。
なら、かっこいい奴だな。これでよし!
後は時間通りいくだけだ。
海斗は時間ぴったりに来た。そこには、とても可愛いワンピース姿の野乃花が待っていた。
「おはよう、遅かった?」
「おはよう、私も今来たところ」
(実は30分ぐらい早く来ちゃった)
「じゃぁ、早速行く?」
「うん」
野乃花は嬉しそうな顔している。
ヤバい、すごく可愛すぎる。
変に意識しすげて目をそらしてしまう。
「行きたいところある?」
「海斗が行く所ならどこでもいいけど、どうせなら渋谷とかかな」
(二人で行ける場所ならどこでもいいよ?)
「ならそこ行くか」
海斗と野乃花は渋谷まで歩く。
生まれて初めて、女の子とデート。初めてだからか、緊張して心臓の鼓動が早くなってしまう。
2人とも妙に意識しすげて話しずらい・・・・。
「あの、、、海斗、、、」
「ど、どうしたの?」
「何か、喋らない?」
(海斗と何でもいいから喋りたい!せっかくデートだから学校で喋れない事まで喋りたい!」
「別にいいけど、何喋るの?」
「そうだ!今日の私の服装似合ってる?どう?」
「うん、すごく似合ってるよ。可愛いよ」
野乃花の顔が真っ赤になっていく。
とても、可愛いよ。いや、俺が野乃花を見てきた中で一番かわいい、、、、俺が見てきた中で世界で一番 可愛い。
「そう、ならいいけど、、、」
野乃花はさっきよりも顔が赤くなる。
「海斗も、、、かっこいいよ・・・」
(ホントにかっこいいよ?すごく・・・)
顔が赤く染まる海斗、それと同時に恥ずかしそうにする野乃花。
「ありがとう・・・・・」
今なんて言ったんだ?俺の聞き間違いじゃなければ(カッコいい)きこえたんだが・・・。
本当にそう言ったんだったら、初めて女の子からかっこいいって言ってもらえた。
「どこ行く?」
「渋谷行きたい!」
「じゃぁ、そこ行くか」
は2人は渋谷へ。
渋谷に到着し、今はどこ行くか決めいる所だ。
渋谷に到着した頃には妙な緊張感が取れ、学校と話す感覚になっている。
野乃花が手を上げて、嬉しそうにいう言う。
「はいはい!渋谷109行きたい!」
「そこ行く?」
「うん!」
(やったー!海斗と2人で渋谷109デート!)
2人は渋谷109方へ歩く。
待ち合わせした時よりもテンションが高い野乃花。
野乃花のおかげで行く場所がすんなり決まった。
それにしても人が多い。そんな時、どんな風にしてやればいいんだ?
手をつなぐ?でも、付き合ってもいないのにそんなことしていいのか?
「ね?海斗、手つないでいい?」
恥ずかしそうにする野乃花。
まさか野乃花がそんなことを言ってくるなんて思ってもいなかった。
海斗は途端に答えた。
「いいよ」
その瞬間、嬉しそう微笑む野乃花の顔があった。
「あれがとう」
(ありがとう!嬉しい!)
2人の手が重なり合う。
ほんのり生暖かくて柔らかくて小さい野乃花の手。なぜか、心の底で安心する。
「海斗の手、暖かい」
(本当に暖かい、なんかカップ見たい)
「本当?それならいいんだけど」
俺はどっちかっていうと野乃花の手の方が暖かい気がする。
ま~今日は春にしては寒い方だから、2人の手が温かいといいかもしれない。
それにしても野乃花の手がホント温かい、思はずギュって握ってしましそうだ。それくらい暖かい。
なぜか野乃花は頬を赤くなる。
「どうした?何かあった?」
「んん、なんでもない」
野乃花は首を横に振る、でも頬は赤い。
「そう?あんまりむりしないでね?」
「本当に大丈夫!それより早く行こう!」
「おう」
そう言えば・・・お互いに心が聞こえるんだっけ?
そうか、さっき野乃花が頬を赤くしてたのは心の声が聞こえるからだ!
んん?だとしたら、俺まずいこと言ってた気がするけど、、、
でもあの時は野乃花の様子は変わらなかった。どうなってんだ?心が聞こえるのは不定期なのか?
俺が昔、おじいちゃんが言ってたのはお互いの心の声が聞こえるだけだった。それ以上のことは知らない。
何も知らないから今日は気お付けなければいけない。
渋谷109に到着した。
野乃花と海斗は早速中に入った。
「海斗!私、服見たい!」
「おし、行こう!」
2人は盛り上がり、子供のように走って服がある所へ向かった。
「海斗、これどうかな?」
(どう?似合ってる?可愛い?)
「似合ってよ、可愛い」
海斗は頬を赤くする。
すごく似合っていて、なおかつ可愛い。野乃花は可愛い系が好きなのかな?
でも、あっちにある物似合いそう。
「ねぇ野乃花、あっちにある奴も似合いそうだけど着て見ない?」
「どれどれ?これ?」
「そう、それ!」
「んんー?一回着て見ていい?」
(海斗が選んだ奴だから、きっと似合うよ!)
「どうぞ」
野乃花は試着室に行く、海斗は試着室の前で待っている。
多分絶対に似合うと思うんだがどうだろう。もしもこれで似合っていなければ野乃花を不機嫌にしてしまうかも。想像したら自分が怖くなってきた。
すると野乃花がカーテン開ける。
海斗の心臓は鼓動が早くなっている。きっと自分が選んだ服が似合っているか気になっているのだろう。
「おぉぉぉ」
思はず声を出してしまった。
「ど、どうかな?」
(どう?似合っている?)
「すごくにあってるよ」
「本当に?」
「うん」
間違いない本当に似合っている。
さっきは可愛いって感じだったけど、今はクールな大人の女性って感じがする。
服が違うと印象もこんなに違うんだ、これは初めて知った。
小説に使えそう気がする。
「ん?」
(ん?小説?)
野乃花は首をかしげる。
ヤバ!まだ誰にも言ってないけど、ばれちゃうのか?自分がラノベ作家だってこと。
取れあえず、ここは冷静に・・・。
「どうしたの?」
「いや、な、なんでもない」
(聞き間違いかな?でも海斗が似合ってるって言ってくれた!やったー!!)
危ない危ない、一歩間違えればバレルところだった・・・。
それにしても野乃花ってなんでも似合うよなぁ。
「ねぇねぇ、海斗これどうかな?」
二人で服を選んでいたら、きずけば昼過ぎになっていた。
野乃花と海斗は昼ご飯を食べるために、今何かないかと探している所だ。
結局服は二着買って、野乃花は嬉しそうな顔をしていた。
「海斗、これどうかな?」
「いいけど、ここカフェだよ?」
「私このパンケーキが気になる」
(パンケーキ!パンケーキ!)
いいけど、このパンケーキ女の子とっては心配じゃないのかな?
パンケーキの上に生クリームがたっぷり乗っけてあって、なおかつフルーツがたくさんある。
でも、他の料理もうまそうな物がある。
「ここにする?」
「うん!」
(やったー!早くパンケーキ食べたい!)
海斗と野乃花は店の中に入り、海斗はランチセット野乃花はパンケーキを頼んだ。
「海斗のも美味しそうだね」
「そんなことないよ、野乃花のだってうまそうじゃん」
「だったら一口食べる?」
(間接キスだよね!?なんてことを言ってしまったんだー!)
野乃花の頬が赤らむ。
「いや俺はいいや、野乃花が食べなよ」
俺にはまだ間接キスは早いと思う。
野乃花の事が好きだがまだ距離があるような、ないような・・・・
でもなんか緊張してしまう。
2人は見つめあって何も話さない。すると海斗のスマホに一通のメールが届く。
差出人は担当編集者の冴島芳樹
さえじま よしき
だ。
海斗はsj文庫の作家で中学2年の時に銀賞でデビュー。デビュー作は全然売れなくて2巻で打ち切りになってしまった。今は(俺の彼女は誰?)の第6巻の原稿を書いている、メディアミックス企画はコミカライズ化をしていた。
(俺の彼女は誰?)の内容としては主人公が未来に行ってしまい、未来には主人公の彼女だと言う人が何人もいた。その子たちとデートなどをしていくが、主人公は本物が欲しくなり彼女を決めるのだが、、、、、
とゆう話だ。
海斗はメールを見る。
『締め切りが後一週間ちょっとなんですが、原稿は終わりましたか?』
と言う内容だった。
終わっていないから出してないんだけどな~
『終わっていません、必ず締め切りは守りますのでもう少し待っててください』
と海斗は返した。
「誰とメールしてるの?」
そう言いながら野乃花はスマホを覗き込む。
「い、いや何でもないよ」
海斗は慌ててスマホをしまう。
危ない、危ないバレルとこだった。ばれたらそこで終わりだ。
「ふ~」
(本当に誰としてたんだろう?)
野乃花は不機嫌そうにしている。
そうしている間に頼んでおいた物が届く。
「美味しそう~!」
(こんなに食べられるの!?幸せ!)
野乃花の顔がきりっと変わって目が輝いていた。
「たしかに、おいしそうだな!」
うん!うまそうだよ!野乃花のは・・・・。
でかくね?写真の倍はあるぞ!こんなに食べられるのか?
「野乃花!」
「ん?」
「そんなに食べられるの?」
「何いっるの?食べられるに決まってんじゃん!女の子を舐めないで!」
そのまま野乃花はペロリと食べてしまった。
それからも帽子、靴、メイク商品などを回ってきずけば6時になっていた。
空は暗くなってきている。二人は渋谷駅に到着して、一緒に帰る所・・・なのだが。
電車が脱線事故をしてしまったのだ。
これじゃ帰れないな、どうしよう。
「野乃花、ここから家までどれくらいかかる?」
「んー30分くらいかな」
「そっか」
30分か、電車が動くのは明日になりそうだな。暗くなっていくにつれ寒くなる。
ここからだと俺の家の方が近い。だったら俺の家で一晩中過ごすしかないか、寒いところに女の子を待たせるより有効な手段だ。明日は学校が休みになっている。
「野乃花、俺の家来ないか?」
野乃花は顔が赤くなる。
「いや、でも海斗の親に悪いし、大丈夫」
「でも電車が動くのは明日になるよ」
「大丈夫!だって!」
野乃花は体が震えているようだった。
どこが大丈夫なんだよ!
「大丈夫じゃないだろ!野乃花の体震えているぞ!」
「そ、それは・・・・」
「いいから来い!」
海斗は野乃花の手を掴み、タクシーに乗る。
海斗の家に着き、家にあがる野乃花。
「なんか、ごめんね迷惑かけちゃって」
「なんで謝るの?別に怒ってないから大丈夫だよ・・・ただ・・・」
海斗が頬を赤くする。
「野乃花が心配になっただけ」
野乃花は嬉しそうに笑みをだす。
「ありがとう」
海斗も照れ臭そうにしていた。
その日の深夜、野乃花がトイレに起きると、机でパソコンで何かを書いている海斗の姿があった。
パソコンをリズムよく叩き、瞬きせずに手だけが黙々と動いていた。
学校じゃ絶対に見せない姿があった。すごい集中している海斗のがあった。
こんな集中力、私にはないよ・・・・・。