学園生活14
「それではぁ〜第265年度ユグドラシル実技考査、デュアルトーナメント!開催いったしま〜〜〜〜〜すっ!!今年のファシリテーターはこのわたくし、サーシャ・アルベルトが努めさせていただきまーす!!!」
うぉ〜〜〜〜〜〜!!!
やたらテンションの高い女性司会は、やたら露出度の高い衣装を身にまとい、大講堂中央のスポットライトに佇んでいた。アズガルド人と思しきブロンドロングヘアにと、抜群のスタイルの良さを生かした際どい衣装に会場中の男子たちの熱量を上げていた。
「さあ、今年の考査は、5年に一回の選考方法チェンジということで、なんとデュアル制度の採用です!毎日鍛錬に励むユグドラシルの優秀な生徒同士の熱いぶつかり合いを観戦できるのです!さ・ら・に〜!なんと!この前リリースしたばかりの戦闘特化型トランスデバイスを使用した戦いも見られるとあって、全世界から今回の考査は注目を集めています!100以上のメディア各局の皆さーん!ちゃんと撮ってくださいね〜!」
開会式が、実技考査1日目で大講堂で執り行われていた。デュアルの会場は校舎内にある9つの特設闘技場にて行われる。およそ、3週間かけて今回の考査試験は行われる長丁場だ。
「今回の考査は、実践に近い実力が観れるから、どうやらアズガルド、ミズガルズ両軍のお偉いさんが何人もくる予定らしいな。兄貴も決勝は絶対に来るって言ってたし」
「じゃあ、ここで良いパフォーマンスができれば、スカウトが来るかもしれないってことね。みんな力が入るはずね」
「まず学科、学年別のトーナメントが最初の2週間で行われ、学年トップ3を決定します!それぞれの学科トップ3、計6名のファイナリストは3日間で戦って頂きます。そして、特別選出枠の7名のみなさまは最後の4日間で争って頂きます!試合の様子は、各教室のモニターや各施設の端末でもご覧いただけますので、注目のデュアルを見逃さないようにしてくださいね!」
「まずは、私と志朗のデュアルからね。私たちくじ運悪いわね。当たる可能性はあるのは分かるけど、まさか1試合目なんて」
クラス別のトーナメントは抽選で決められたらしいが、初戦で志朗とルミアスが当たってしまった。
「私はいつも2人と授業が被らないから志朗のトランスとか見れるのは嬉しいけど、できれば応援しながら観察したかったわ」
「ルミアスじゃルーンが得意だからね。ルミアスに勝てるかわからないけど、お互い頑張ろう」
そう言いながら、2人で闘技場のステージへ上がって行った。




