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努力の成果

主人公の名前について話をいただきました。

適当につけたばかりに混乱させてしまうことがあり、すみません。

でも、ここで変えると更に混乱してしまう(私自身も)のではと思い、今後も主人公の名前は変えずにいきたいと思います。


「アーネスト、お前変わったな」

「え?」


ある日の昼食時、お義兄様のロイドから突然声を掛けられた。

お義兄様はさすが従兄弟というだけあって私に似ている。白銀の髪は少し癖っ毛で、私より濃いアメジストの様な瞳はじっと見ていれば吸い込まれるよう。一見本当に血の繋がった兄弟のように見える。


今日はお父様は仕事、お母様も用事があり外に出ていた為、食事はお義兄様と二人きり。

最近では普通に会話も出来るようになったし、時折ではあるが笑顔も見せてくれている。これも毎日の努力あってこそである。

そんなお義兄様からの言葉。正直凄く仲が良いかと言われれば、まだまだと感じていた私にとってはそんな風に褒めて(?)貰えるなど思っていなかった為、つい聞き返してしまった。

お義兄様は私をじっと見ながら、少し言いにくそうに口を開く。


「いや、見た目の話だけじゃなくて・・・。なんだか人が変わったように頑張っていただろう。仕草やマナーなんかもしっかりしてきて、改めて変わったな、と」

「・・・」


正直咄嗟に言葉が出なかった。それは私が一番望んでいたことだったから。


私は少しでも彼に相応しくなったのだろうか、隣に立っても良いのだろうか。彼に不愉快を感じさせない存在になれただろうか。

そんな思いが常にあった私にお義兄様の言葉は本当に嬉しかった。


「あ、ありがとうございます。嬉しいです」


私の口からはそんな言葉しか出なかった。でも本当に嬉しい。

お義兄様は少し照れたように視線を外しながら「・・・頑張れよ」と言ってくれる。そんな様子に私の口元には自然と笑みが浮かぶ。


「はい、もっと体重を落として痩せてみせます!それに勉強だって頑張ります!」


私の気合いの入った言葉にお義兄様は視線を私に戻し、頭のてっぺんから見えている胸元までを確認するように見てくる。


「体型はもう充分じゃないか」

「いえ、もう少し痩せたいんです。だって腕だってまだプニプニですし、足ももう少し細くしたいと思っていて・・・」

「いや、女の子はそれくらいが丁度良いと思うぞ」

「・・・殿下もそう思ってくださるでしょうか」

「ん?」

「あ、いえ、なんでもありません」


つい気が緩んで口に出てしまった。幸いお義兄様には聞こえてなかったようで良かった。

うん、お義兄様がそう言うなら体型は維持しつつ次の社交シーズンまでにダンスやマナーも完璧にしておかないと!



あの訪問からレオンハルト様とは会っていない。

レオンハルト様が私に会いたくないと拒否している・・・というわけではなく、あの後レオンハルト様は隣国へ外交として行かれてしまったから。ちょっとした留学という意味もあるらしく、帰ってくるのは次の社交シーズンの直前になるらしい。


でも、私にとっては好都合!

正直言えば周りの令嬢たちと比べて抜きでて綺麗とか、可愛いというわけではないことは私自身理解していて、自信があるかといえばない、というのが現状。それでも婚約者は私なわけで、少しでも彼に相応しくなれるように教養を身に付けなくてはっ!




それに次の社交界シーズンが終わって少しすれば、ゲームの開始時期となる。

ちなみにヒロインについてお父様やお母様にそれとなく聞いてみたが知らなかったので、おそらくまだ見つかっていないと思う。

見つかっていたとしても今の私に何か出来るかと言えば正直出来ることなんて無いから、どうしようもないんだけど。


あとは、あれよね。ヒロインが私と同じ前世持ちだったりして、更にゲームのように攻略対象者を攻略しようとして、そんでもってその対象がレオンハルト様だったら・・・。


見た目はヒロインだけあって、ハニーブロンドのふわふわな髪、目はぱっちり二重のストロベリーピンクでふんわりして可愛い美少女って感じ。中身は前世持ちだったら分からないけど、ゲームの通りに行けば素直で勉強熱心、誰にでも公平に接して、男女共に人気者。

しかも、ヒロインの父親っていうのが侯爵だったりするから地位も完璧。普通男爵とか子爵とか低い設定じゃないのか!って思うけど、それはどうしようもない。

何が言いたいのかっていうと、正直勝てる気がしない。

勝ってるのなんて爵位だけじゃない?


うーヒロインが本当にレオンハルト様狙いだったら・・・やっぱり好きになっちゃうのかしら。婚約破棄されちゃうのかしら。いくら婚約破棄が難しいって言ったって絶対出来ないわけではないし。


・・・頑張ろ


結局出来ることは限られているわけで、今悩んだところで仕方ないわけで、私に出来るのは努力することしかない。

それでも


・・・ヒロインが殿下以外の人にいきますよーに!


願わずにはいられない!



初めにチラッと出てきた義兄です。

攻略対象者ですが、あまり意味はないかと・・・。

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