自分磨きを始めましょう!
説明は続くよどこまでも・・・。
自分磨き・・・まずは食事と運動から始めましょう!
食事は今まで一日5食だったのを3食にしてもらい、量もこれでもかとあった物を普通より少ない位にして、野菜を多めにしてもらい、ローカロリーな食事に変更してもらった。
運動ももちろん行う。朝起きてからご飯までの間に屋敷の庭をウォーキング(ジョギングは今の体には無理でした)夜はさすがに外に出られないから入浴後にストレッチを行う。
今まではなんやかんやと理由を付けて真面目に受けていなかった勉強やダンスのレッスンもきっちり行う。(ダンスが上手く出来ないことも彼にとっては不満要素の一つだった)
そうなれば今まで毎日のように訪れていた城に行く時間はなくなる。まぁ、レオンハルト様は私の事嫌っていたし、来なくなって清々したと思ってるだろうけど。
・・・自分で言ってて悲しい。
正直に言えば、レオンハルト様に私を好きになってもらいたい。前世でだって一番好きなキャラだったし、少し腹黒なところはあったけど主人公には優しかった。見た目も性格も好きだった。それに加えアーネストとしての記憶もある今は愛おしさも倍増している。
記憶が戻ってからは会っていないが、一つ上の少年から青年に変わりつつあるあどけなさの残る彼を思うと胸が熱くなる。これはアーネストの思いからなのかは分からないけど。
そうそう、アーネストは悪役令嬢らしくメイドたちにもきつく当たっていたみたいで、当初は私の顔色をうかがってはびくびくとしていた。それでも私が少しずつ歩み寄っていけば向こうも歩み寄ってくれた。特に年の近いメリーは朝のウォーキングや夜のストレッチにも根気よく付き合ってくれている。
やっぱり一人より誰か一緒の方が続けられるものだ。
両親は豹変した私に驚いていたが、私がレオンハルト様に相応しい女性になりたいと話したところ大いに喜び応援してくれている。父なんかは運動出来るようにと室内プールまで作ってくれた。うん、可愛がるのは良いけど、ほどほどにね。
ちなみに義兄にも嫌われていたけれど(あ、ちなみに義兄は従兄弟で両親が事故で亡くなった為にうちに引き取られた)元々両親に多少遠慮はあったが可愛がられていたこともあり私が今までの嫌がらせについて謝罪し、自分改造計画を頑張っている姿を見て今は少しずつではあるが仲は改善されてきている。
そんな日々を過ごすこと半年。
私は鏡の前に下着姿で立っていた。
うん、順調に落ちてきている。まだ腕はプニプニしてるし、腰回りのお肉も残ってるけどくびれも出来てきた。デブからぽっちゃりまでいったように感じる。体重は元々が元々なので、半年で一気に落ちたがここからが勝負だと思っている。
ちなみに胸のお肉はありがたいことにそこまで落ちなかった。このままいけば、ボン、キュッ、ボンも夢ではない!
食事の改善も行ったことでニキビも消え、今ではすべすべな肌になっている。
両親が美形だから痩せれば結構良い感じになるんじゃないかと思っていたけど、予想以上に美少女に近づいてきていることに私は満足していた。
なんだアーネストって痩せれば結構可愛い顔してんじゃん。
悪役令嬢といえばつり目で何もしなくても睨んでいるように見られたりする顔を想像するけれど、私は垂れ目気味、可愛いと綺麗の中間位かしら。
今までは顔のお肉のせいで目も細めだったけど、顔もシュッとしてきた今は大きかった事が判明した。髪だって栄養バランスを考えて食べているからか、サラサラと手触りの良い物になってきている。
これらは予想してなかったけど、純粋に嬉しい。
勉強やダンス、作法なんかもなんとか身につけ、少しずつ淑女に近づいていっていると思いたい。
レオンハルト様については、正直わからない。この半年はダイエットに勉強にと時間を費やしてきた為、会いに行く時間が全くなかった。正直どれだけ怠けていたのかを身をもって感じました。でも、もう少しすれば嫌でも会わなければいけない。なぜなら社交界シーズンに入るからだ。
私は一応王太子殿下の婚約者なわけで夜会等があれば婚約者と共に出席しなければならない。それが国で開かれるものであれば尚更出席しないわけにはいかない。とはいえ、正直まだまだ人前に出れるほどの自信が私にあるかといえば、ない。体重だってこの半年でだいぶ落とせたと思うし、顔だって元が良いおかげもあって、まだ丸さはあるがダイエットを始める前と比べればだいぶましになった。それでも自信がないのは、他と比べてしまうからだ。
確かに私はレオンハルト様の婚約者ではあるものの、まだ『婚約者』だ。余程のことがない限り婚約破棄になることはないとはいえ、破談になる可能性がゼロではない。その為、まだ若いレオンハルト様に対し、婚約者がいるからとアプローチが全くないかといえば答えはノー。表立っては見えないものの、マナー違反にならない程度にアプローチされている。以前の私はそんな周りを見下して、必要以上にくっついていた。
あぁぁぁ見下してたなんて、なんて傲慢なっ!!!
今思い返すと、穴を掘って潜って上から土をかぶせて埋めてほしい!!
それくらい恥ずかしい。というか身の程知らずだった。
レオンハルト様の周りに来ていた令嬢は身分こそ多少下の侯爵や伯爵ではあったが、十分王太子殿下の婚約者になりえる爵位を持っている。そして見た目は比べるのもおこがましいほど。今ならわかる。もともとの顔立ちもあるだろうが、あれらは何の努力もなく手に入るものではない。きっと目に見えない努力をしているに違いない。
本当に爵位くらいしか優位なものがない。その爵位だって私自身のものではなく、これまで築いてきた祖先のものだ。つまり私自身誇れるものなんて何一つないのだ。
キャラクターが殆ど出てきません。
次でやっとヒーローの登場です。