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厨異魔天 第1章  作者: わけわかめ
??? First,Reboot.
21/24

第19話 Climb Crime

三人も起きてきたところで朝飯を取り、わしの実力確認も兼ね、経験値稼ぎのために街から少し外れた場所の小綺麗な遺跡的ダンジョンへとやってきた。

ついでにしろみそのことも『スキルから生まれた』と言ったら驚いていた。

…わしだって驚いた。

あと、アルティメットに関しては言わない事にした。

それでわしに依存されても困るしな。

「まずはわかめさんの戦闘能力を見せてください」

「任せておけ」

パワーレベリングになりそうだが…仕方ないな。

早速現れたアイアンゴーレム達を…

「オラオラオラァ!」

切り捨て、蹴り飛ばし、たまに分身体で纏めて叩き潰して。

しろみそのおかわりが来なくなるまで続けていたが、レベルは1から変わらなかった。

…あれほど酷使したのに全く頭痛が無いな。

しろみその補助のおかげか?

「さて、こんなもんだ」

「お…おお……!なんだよ今の!初めて見たぜ今の戦い!」

「顔と動きが鮮やかだったわ!もう一回見せて欲しいくらいね!」

「ええ!後学の為にももう少し見せて欲しいくらいです!」

三人とも興奮しすぎだ。

スポーツ選手のように健康的でも娯楽的でも無いだろうに…

「…ですって、マスター♪次の階層はコールゴーレム、つまり石炭ゴーレムです。次は私の戦い、見ていてくださいね♪」

「はいはい。任せたぞ」

次の階層も同じ風景が続く。

黒いゴーレムがダイドコロGのようにうようよと…おい今反射で黒光りしたぞ気持ち悪いな

「しろみそ、火属性で思いっきり頼む」

「了解ですマスター♪」

用途がよくわからなかった文字盤を複数出現させ、分身体も駆使し、炎が凝縮され地獄絵図となった宝石を手の中に精製。

敵の中に投擲した。

「っとと…私の分の魔力が無くなっちゃいました……防御はよろしくお願いしますね…」

しろみそがわしに倒れこむと同時に消えた。

…消えてませんよ?

こんぶさんと同じように、私もマスターの中に入れるだけです。

これで脳内会話もなんのそのですね♪

…嬉しいのか嬉しくないのか…ま、情報伝達には便利だろ

………そうですね。

そういえばマスター、そろそろ爆発しますし…防御態勢取らなくていいんですか?

「…おいそんなもん聞いてないぞ!?」

即座にシェルターを製作、と同時に外から凄まじい爆音と熱が襲う。

氷も出しながら熱が収まるまで耐える。

…想像以上の威力だったな。

でしょうでしょう!?

なんてったって私はAIですよ?

自分のスキルを万全に使いこなせなくてなんだって話ですか!

はいはい、それじゃシェルター解除してくれ

イエスマスター♪

土壁の外は想像通り…いや、想像以上の惨状だった。

炎は未だ燃え盛り、フロアを埋め尽くしていた。

…少しやりすぎちゃいましたね…

浪漫砲自体閉所で使うものじゃないからな

なに言ってるんですか!

狭いところに追い込んで一網打尽に…

…その話長くなりそうだし後でな

放心状態の三人を引き廻して次の階層の階段を降りる。

次は銅のゴーレムの階層だ。

…マスター、アレはカッパーゴーレムです

「……Preset,Thunder Bullet.」

雷を弾丸にし、伝わる電流で魔力の塊(コア)を破壊する。

最初からこうすれば良かったな。

「…今更だけど、その武器はなんなのかしら?魔法を撃ち出しているのを見る限り杖の一種のように思えるのだけど…」

「…あー……説明してなかったな…今持ってるこれは双回転銃。これを二つ持つ中距離武器だ」

そりゃ銃器なんてわからないよな。

失念していた

…マスターって忘れっぽいですよねー

しろみそを脳内で蹴り飛ばしている間にゴーレムは殲滅し終わったらしい。

…わしらの影以外に敵影なし、と。

安全確認をして降りた次の階層は…木製のゴーレムだな

「…ゴーレム系統多くないか?」

四層ともゴーレムだったな…

「ここは5層までゴーレムしか出ないぜ。6層はなにも出ないからセーフフロアだ。その代わりに7層からはかなり険しくなるがな。だからここは俺達に任せてくれ!セバ、リーブ!燃やし尽くせ!」

ゾビがゴーレムの群れに突っ込み、背中に背負った大剣で攻撃をいなし、たまにカウンターをして二人の詠唱完了を待つ。

………詠唱ってあったのか

「セバ、合わせてくださいね……[風刃]」

「言われなくても分かってるわよ……[火炎]」

横に大きい風の刃がリーブから放たれ、同時にセバが起こした炎が刃を覆い尽くす。

「おぉ…」

「最近生み出した俺達の最大火力の『炎刃』だ」

ゴーレム達は成すすべもなく炎刃に切り裂かれ、散り散りになり、燃え尽きた。

「キタキタキタァァッ!」

「私もやるときはやるのよ!」

「僕達も役に立ちますよね?」

「…そうだな」

部屋のゴーレムごと一掃したなら火力は申し分ないな。

「本番では頼んだぞ。あくまでも4人(・・)での戦闘だからな」

…マスターの分身体は大丈夫ですけど、私は見た目が違いますしね

誤魔化せないこともないけどな…面倒臭い

「そ、そうなのか…」

「といってもわしの補助としては参戦する。操作権を入れ替えるという荒業でもしろみそは出れる。その時はゾビ、お前一人で戦えよ」

身体を中心にして発動した方が都合がいいですし、何より私のテンションが変わりますし!

「…出来るだけそんな状況にならないようにしたいな」

「なら…更にレベルを上げないとな。ほら、次の階層に行くぞ」

時間は限られている。

さっさと進まないとな


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『さぁぁぁぁて魔界一武道会開幕だ紳士淑女共ォォォ!!!!』

『ウォォォォォ!!!!』

『参戦者は早く控え室に入れェェェェ!!!!!』

マスター…何故ボスを倒した後も九層の溶岩の上でダンスしてたんですか?

…あそこが一番経験値効率が良かった。

お陰で……わしのレベルは3に……って全然上がらないんだが!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

名前 わかめ(##渡)

種族 Demon Rode

職業 バトルマスター

レベル 3

ステータス

攻撃力 10400

防御力 5200

素早さ 7800

魔力 7800

スタミナ 5200

器用さ 2600


オリジンスキル

絶対付与アブソリュートエンチャント

触れたものにどんなに理不尽でも矛盾していてもその効果を付与できる。残り10/10

拡張電子頭脳デスクトップ

命令を入力する事により、様々な事を実行できる。

アプリケーション▽

スキル

魔改造マジックチューン 悪魔契約デモンズルール誘惑 魂喰

適正武器

双剣ダブルソード巨大槌メガトンハンマー 両手棍ダブルハンドクラブ 薙刀ナギナタ

双回転銃ダブルリボルバー狙撃銃スナイパーライフル 機関銃マシンガン

ウェポンスキル

双剣のみ、無限加速連撃インフィニティアクセラレーションラッシュ

巨大槌のみ、惑星破壊プラネットデストロイ

両手棍のみ、そして誰も話さない…

薙刀のみ、完全反射パーフェクトカウンター

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

………レベルが全く上がらなかったな

…必要経験値量が跳ね上がってましたねー

「早く行こうぜわかめ。遅れたらこれまでの努力も無駄になるからな!」

「…今行く」


バトロワ形式の予戦は苦労せずに勝てた。

わしらがいたDブロックは特筆するべき奴はいなかったな。

なんせわしが分身体で全て切り倒した。

…レベルの暴力でしたよね

レベル3に速攻でやられる方が弱い

「他の予選もそろそろ終わりそうね。ここから五連勝すれば優勝よ。」

「地上…どんなところなんだろうな!?」

「きっと……美味しいものがたくさんあるところですよ…」

「…そうだな。少なくはない」

私のオススメはやっぱりポテチとコーラですけどね!

…それは昔から言われてる黄金コンボだし…太るぞ、お前

うううううるさいですよマスター!

余計なお世話ですー!

「…はぁ…」

ずっとこれが頭の中にいるのか…苦労しそうだな…

…あ、マスター、控え室はここです

扉を開けて中に入る。

控え室は…八人用のカラオケボックスくらいか?

休むのならこれくらいで十分だろう。

「既に緊張してきました…」

「そうねー…私もこんな事初めてだわ…」

セバとリーブは戦々恐々、ソビは…おい、ドリンクを頼むな

「…最低わし一人で戦うことになりそうだな…」

「マスターだったら余裕だと思いますけどねー」

「そうなのか?」

「そうですよー…だって、参加している中だとマスターが一番レベルが高いですし。この魔界の中の実力者は軒並みVIPと称して来賓席で監視されてます。あくまでも同レベル帯の悪魔の中でも素質を持ったものを選別する、という面もありそうです。…悪魔だけに!」

………

「え…どうして黙るんです?」

「…自分の胸に手を当てて考えろ」

「あ……はい………」

そうやってたわいない話で騒いではいたが、遂に本戦の時間がやってきた。

最初の相手は期待の新人(ルーキーズ)と言われているチームだ。

実際、どっかの大物がスポンサーとしてくっついているらしい。

…ただ、しろみそによるとわしらの方が圧倒的ではある。

「相手はぽっと出の雑魚達だ!行くぞ、みんな!」

『おう!』

……うわぁ…わしがかなり苦手とする奴らだ…

しろみそ、やっぱり相手頼むわ…

「…ぇ」

魔王戦の時には思う存分やらせてやるから……

「えっちょっとまってください可能不可能で言ったら勿論可能ですけど」

…なら頼む…おやすみ…

「あーっ!?ちょっ…マスター!?寝ないでくださいよ!?おーい!?」

大会が終わったら起こしてくれ……

「本当に寝るんですかぁぁ!?」




『優勝はまさかまさかの番狂わせ、圧倒的実力差を見せつけたダークホース、エレメントの優勝だぁぁぁぁ!!!!!!!』

…んー…よく寝たような…

マスター、本当に爆睡してましたね。そんなに休めてなかったんですか?

「あー…かもなそこまで休めてないのかもしれない」

…一応、皆さんには私の修行という事で誤魔化しておきました

「ありがとさん…で、今来たのが…」

そうですね…マスターの予想通り、アレが女王ですよ

ふと後ろを見れば畏敬を払っている三人が見える。

…そんなに怖いか?

「ほう…ワタシの前で一切恐怖心を抱かないと思えば…………」

(…もしかして、ワタシの姉様の知り合いですか?)

……なんだって?

「改めて名乗ろう、ワタシはこの魔界に君臨せし十四代目女王、フィア=アルビスである!」

…今のは自己紹介の代わりか。

私達の会話に割り込んでくるとは…女王も侮れませんね…

(いえ…ワタシの姉様との繋がりがあったのでそこから割り込ませてもらっているだけです。姉様…消えていたと思いましたが、生きていたんですね…よかった…)

「さて、エレメントやら、オマエ達に一つ褒美を取らせよう。何が望みだ?」

(姉様が興味を持った方ならこんな大会優勝しても当然ですね…今、姉様はどうしていますか?)

「…あー…わしら四人をRegerthに行かせてくれ。それだけでいい」

(姉様はRegerthにいらっしゃるのですか…?)

まず、お前の言う姉様ってのは誰だ?

名前を言ってもらわないとわしらも誰かがわからない

(あ…言ってませんでしたね…ワタシの姉様の名前はドール。先代の女王をしていた時は私と同じアルビスの家名が付いていました)

ドール……ドール!?

ああ…通りで恐れより懐かしさを感じたわけか…

(ワタシはここを統治しなければいけませんからここを離れられませんが…姉様によろしくお伝えください)

わかった。

…しろみそ、こいつに最低限の機能だけでいいから携帯電子頭脳タブレットを渡してやれ。

それがありゃ会話できるだろ。

そうですね………回線を確立すればなんとかできそうです

(わかりました。では…早速Regerthに飛ばします。いいですか?)

問題ない。続けてくれ

「承知した。ならば、早速望みを叶えよう!」

(ワタシの能力は願う思いを糧にして行使する能力なので…祈ってもらえますか?)

了解

膝をつき、手を固め、帰るところ(白玉楼)の事を思い浮かべる。

「…ふぅ……願掛偶像ドリーム・カム・トゥルー!」

フィアが叫び、透き通った水のような魔力が身体を包み大きな球を形成する。

「お…おぉ…!?」

「これは…!」

「なんて優しい…」

(性格も荒くて、気まぐれな姉様のこと、改めて…よろしくお願いします)

…ああ…任せろ。

お前の姉にはいつも世話になってるからな。

……お前のこと、伝えておく

(ありがとう…ございます…….!)


四つの球は飛翔する。

天井を抜け、森を超え、空も超え。

黒い虚無も抜けると色とりどりの巨大な10個の球体が、それよりも大きな鈍い金属質の球体の周りを…公転しているところに出た。

内側を二つ、外側を八つだろうか。

1つは赤く、わしの好きな色だ。

1つは白く、新しいノートのようだ。

1つは緑色で、未開の自然のような印象を受ける。

1つは暗く、全てを見通せない。

ほかの六つは見るたびに色が変わっていて訳がわからない。

一番ひどいのは赤と緑の間の球体だな。

…そして、方向的に今向かっているのは暗い球体のようだ。


さて、そろそろ到着しそうだが…双夢達は無事なのか?

生きていてくれよ……?


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