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厨異魔天 第1章  作者: わけわかめ
??? First,Reboot.
17/24

第15話 In a single, unsaved world.

「ここは…白玉楼か」

確か地震で…滑って…

「御主人様、起きたんですね」

「運んでくれてありがとな、双夢」

立ち上がって家の中を確認する。

咄嗟に貼ったとはいえ付与は十全に機能してくれたらしい。

特に物が壊れた様子はない。

「少し街の様子を見てくる」

「行ってらっしゃいませ、御主人様。…そうだ、先ほどの地震の被害を確認するためにBOYさんが、炊き出しのお手伝いためにしゃけさんが行出かけています」

…珍しいな…二人が自分から働くなんて

「災害は助け合うべきだとかなんとか言っていました」

「ああ、そういうことか」

ただ単に人に死なれる事が嫌だったのか…分からなくもないが

「…ならわしもギルドに行って原因と依頼が無いか聞いてくる。できる範囲なら助けたいだろ?」

「勿論です。私も冒険者の方々に助けられましたので」

「なら決まりだ。原因を取り除くぞ」

家の確認は双夢に任せ、ギルドへと向かった。

途中、広場に立ち寄ると跡形もなく壊れた噴水の前でシスター達と一緒に炊き出しを回しているしゃけの姿が。

…わしは先にギルドに行かないとな。

半壊した街を歩き、原型は留めていたギルドに着いた。

緊急時も使用されるだけあって頑丈なようだ。

壊れたドアを開けて中に足を踏み入れ…

「よくきてくれたねわかめくん!分かっていると思うけど大変なんだ!ジャポン各地に危険な魔物が現れてね…君に指名依頼をしたい。いいかな!?」

わしの姿に気づいた瞬間、ギルマスがワープしたかのように目の前に現れて早口で何かをまくし立てた。

「もともとそのつもりだが…なんだって?」

早すぎて聞き取れるものも聞こえないよな…

「…ゴホン。ジャポンの各地に魔物が出現した。君にはそれらの使命討伐依頼を出したい。もちろん、できる限りでいい。もちろん、無理なら本部からの増援が来るまで持ちこたえるだけでもいい。受けてくれるかい?」

「了解。もう書類はあるな?」

答えを聞く前にサブマスが出してくれた。

…よし、不備はない

「内容によっては後で報酬の上乗せをさせてもらうかもしれないが…いいな?」

「当たり前さ。その報酬も前金のようなものだからね。倉庫に置いてあるスキル瓶全てと、大金貨10枚。緊急依頼でもあるから大盤振る舞いってやつだよ」

「ありがたい。それじゃ、魔物の場所を教えてもらおうか」

現れた魔物は6()体。

首都エンドに現れた巨大な卵。

開拓地エゾに現れた凶暴なシロクマ。

火山の街ソアに現れた溶岩のゴーレム。

砂漠の街チュックに現れた変異サンドワームの群れ。

山の村トホクに現れた植物の魔物。

主要都市のニャゴヤに飛来した金色のカラス。

この中でもソアとチュックに現れたものは偶然現地に居合わせた高ランクに破壊してもらうらしい。

そして、終わり次第こちらへと向かって来ると連絡がきた。

現地の強者と知り合えるのはいいな。

できれば勧誘したいが…

「これが前払いの報酬だ。いつぐらいに出発できる?」

袋と箱を受け取り収納ファイルに入れる。

「そうだな…今日か明日には出発する。どれくらい持ちこたえられるのかわかるか?」

行くならキャンピングカーになるが…魔改造を使って速度を上げるしかないな

「一番危ないのはトホクだね。なんたって戦力があそこにはないからさ。…でも、何故あそこに…」

「了解。今からすぐに帰って準備させてもらう。依頼完了報告を楽しみにしておけ」

「また何かわかったら連絡する。ジャポンを頼んだよ」

BOYとしゃけに連絡コールで召集する。

スラリンとおゆも話に入れるか。

…戦力の分散も考えないといけないしな。

「さて、内容はさっき伝えたようにジャポン各地に現れた魔物、その内4体の討伐だ。レイドボスみたいだが、人数の都合上一人または二人で相手する事になるだろう。わしはキャンピングカーを改造して飛ばすべきだと思うが…」

「それなら大丈夫。ワープ魔法作ったから」

「……最初から作るのは無理だったのか?」

「無理言うな」

「…じゃ、それで各地に散らばるか。メンバーは適当に決めていいよな?」

…異論はなさそうだな

「なら今から言うぞ。まず、卵をわし単独で行く。調査も兼ねて一人の方がいいだろう。次に、クマはBOYとおゆ。おゆは地形の勝手を知ってるし…BOYは予想だが艦船買えるだろ?」

「多分な」

「なら海から砲撃しろ。この際能力がある程度バレるのも許容して基地のメンバーも乗せてやれ。補助にはなる筈だ」

「…はいはい」

「わかりましたわかめさん」

遠距離戦で一方的に殴れるならそれでいいし、最低おゆにやらせればいいからな。

「トホクはしゃけと双夢達。燃やしたり蔓を切れば倒せる筈だ」

「植物だしね」

「…オレもワタルニつイテ行ッタら駄目カ?」

「その点については終わり次第こっちに合流してくれ。そこも勘定に入れて過剰戦略にしてある」

流石にわし一人でやれるほど敵は強くはない…筈だ。

それに唯一『卵』で出現した魔物。

油断するのはやめた方がいいだろうな

「最後のカラスはこんぶとスラリンに任せる。いけるか?」

「…今一つだけ策を思いついた。成功すれば余裕で討伐できるだろう。スラリン、少し耳を貸せ」

「うん…それで……わかった!」

「よし、なら全員の準備が出来次第出発だな。一旦解散!」

と言いつつ、自室へ戻る前にBOYの所へ寄って行く。

兵器のスキルレベルを上げさせるため…だったのたが。

「…カンストに使った分は要らないと」

「おう。また必要になったらたかりに行く」

タブレットを操作しながらBOYが言う。

携帯とタブレット同時に操作できるんだな

「……なら、作戦はよろしくな」

「死にそうになったら逃亡するけどな」

「その場合は地の果てまで追いかけるから震えておけ」

BOYの部屋を出て地下道場へと向かう。

本番に備えてワカメンズの慣らしをしておきたい。

まだ武器自体も使いこなせてないような気もするしな。成長の余地はある

早速発動。

やはり少し頭が痛む気がする。

だが、実戦に耐えられないほどでは無い。

強化電子頭脳デスクトップを取る前よりは格段に楽になっている。

そして、ここにきたのは実戦と同じように戦うためだ。

……あの扉の向こうには近未来都市が眠っている。

昔と違って今のわしは7体に増える。

あの大量のエネミー達にも対抗できるだろう。

早速ドアを開け中へ。

場所は違うようだが、案の定例の都市に着いたらしい。

再度展開し陣を試作してみる。

「双剣と巨大槌は前衛、両手棍は補助に回る。回転銃は遊撃。狙撃銃と機関銃は後衛。薙刀は後衛達を守ってやれ」

初めてこの状態でマトモに戦うからな…負けそうになったらすぐ撤退だな。

暫く待機していると喧騒が聴こえてきた。

機械どもの群れがやってきたらしい。

手始めに機関銃を唸らせ敵を消す。

この機関銃の特殊能力は吐き出される弾が通る場所を空白にする事だ。

一挺だけとはいえかなり強力だろう。

更に、同時に購入した狙撃銃も特殊能力がある。

弾が目標を追いかける追尾、6つまで装甲を無視する貫通、着弾と同時に弾ける炸裂、索敵範囲が広がる知覚拡大、撤退にも攻撃にも使える未来予測、それと身を隠す隠蔽を合わせて6つの効果が入ったお得パック。

それに攻撃力もかなり高い。

…ただし、その代わりに銃自体がかなり大きい。

わしの肩にかかる程大きい。

高いところに登って狙撃する程度しか使えない。

…まぁ、名前が『狙撃手之夢スナイパーズドリーム』だから仕方ないのかもしれないが。

ちなみに今のわし(・・・・)が使っているのがこれだ。

面白いように敵が死んでゆき、遂に増援が途切れた。

第一波はクリアしたとみていいだろう。

「まだ行けるか?」

「…お前は楽でいいな」

「じゃんけんで決めたんだから仕方ないだろ」

そんなことを言っていたら次の群れが。

…薄々気づいてはいたが死体もドロップも無い。

奴らの体はHPを削ると消えるらしい。

そこは少し残念だ。

回収して売れば多少は金になると思ったのにな

「行くぞ」

次はドローン型が多い気がする。

飛んでいるため近接系が役立たずになりやすいが、その分遠距離系が…

燃え盛れよ我が憤怒(フレアインパクト)ォ!」

…いや、跳んで地面に叩きつけている。

それに薙刀がライフル弾を防いでくれるため、かなりやりやすい。

これもあっという間に片付けれた。

頭痛がひどくなってきたため解除して撤退。

これ以上の練習は実戦に関わりそうだったからな。

早めに戻っておかないと後に響く。

…よく見るとさっきの分でlvが2上がっていた。

もしかしてここはレベル上げ専用エリアだったのか?

あとで四人にも話しておくか…


日を超え早朝。

準備を整えポータルの前に立つ。

「まずはわかめが先に行って。次にBOY達、そのあとこんぶさんで、最後に私達ね。じゃ、さっさと行って。結構魔力使うみたいだから」

「…お前らも頑張れよ」

ポータルの中に入ると少し目眩が。

それもすぐに治り、周囲を見渡せば魔物が跋扈する…

「って魔物!?早速使うのも何だが…Preset,Wakamens.」


七方位に分かれ魔物を殲滅する。

避難誘導をするまでもなく人がいない(・・・・・)ため、かなりのペースで再制圧が進む。

…どうやら問題の卵は城の近くにあり、そこから魔物どもが湧き出ているらしい。

既に害をもたらしているなら調べるまでもなく破壊するべきだろう。

一度城を駆け上がり空へと飛翔する。

今回は制限もしない。

少し城が焼けるかもしれないが、それは必要経費だ。

わしは悪くない。

天がやれって言ったんだ。

領収書は神さまで頼む。

天に輝け(インフェルノ)ォ…我が衝撃(フュージョン)!」

周りの大気ごと巻き込み圧縮しながら加速して落下する。

つまりはエンジンと同じ原理で爆発する。

下手すれば周りも吹き飛ぶが、それもまた必要経費。

請求は国にやってくれ。

速度が増すごとに身体も熱くなる。

全身火傷で済むかどうか…

まぁ、解除するときに一番マシなやつから生まれれば問題ないか。

…そんな悠長なことを言っている暇も無い。

そろそろ着弾だ。

形がくっきりとした頃に防ぐためにキメラのような鳥の魔物も飛んできたが近づく前に熱で溶けていた。

………本当にわしの身体は大丈夫なのか?


SMAAAAAAAAAAASH!!!!!!!!!


『〜〜〜〜〜ッッ!!!!????』

「…っぶ…あれは酷いな」

一応、大気の爆発は着弾した直後に起こるため当たれば装備を回収してもいい。

で、さっきの分身体は焼失したが巨大槌(隕石)は回収したために新しく作った分身体も装備している。

…これ、他にも悪用できそうだな

今のところは7つを超えると脳への負荷が大きくなるからしないがな。

そして肝心の卵はヒビが入り城壁と同じように焦げて黒くなっている…がしかし完全に割るには至らなかったようだ。

もう一度はかなり厳しい。

魔物の密度が高くなっていて近づくにも他の分身体の援護が必要だ。

せめて、他にももう一人…

「はぁぁ…疲れた…もう休んでていい?」

「…しゃけちゃん、まだあるみたい」

「しゃけちゃん言うな!…何アレ、私もう嫌なんだけど」

想定通りオーバー火力の二人が最初にやってきたらしい。

「双夢達はもう終わったのか。なら手伝ってくれ。見ての通り、一発ぶち当てたはいいが効果がイマイチでな…援護を頼みたい」

「…私、魔力がすっからかんなんだけど」

まぁ、しゃけには送迎をやってもらうから仕方ないな

「では、私とドールが」

「3人がかりならかなり楽だな」

ドールの糸で拘束、双夢には道作り…

「…ンー……オレも少し疲れタカら休ム」

そう言ってドールは再び双夢の中へ帰った。

…嘘だろ?

「………私と御主人様で前線を押し上げましょう」

「…だな」

地道に包囲を詰めて行く。

できればもう少し制圧力が欲しいが……

「避けろよわかめ」

「…危ねっ!?」

後ろから飛んできた攻撃…いや、砲撃。

幾らかかかったのかは知りたくないが、それは…

「自走砲買えたから買った。壊れやすいって書いてるけど攻撃力はこれが一番高いわ」

…砲丸というよりはエネルギー弾に見えたが…

あぁ、うちの魔力式銃と同じ原理か

「わかめさん、私も戦います」

「あー…何ができる?」

予想だと水を起こすとか…

「さっきのおゆは口から破壊光線出してたぞ」

「……いや、あれは水を圧縮して放つもので…」

想像以上に強烈だった。

高圧洗浄機でもかなり痛かった…もうしたくないわ…

「他にも私は『再生』を持ってます。なので、回復も自分でできますよ」

「そりゃ便利な事で」

自己完結型…元々怪物扱いだったからそっちの方が 都合が良かったんだな

「それでわかめさん…いいですか?」

「火力に関しては俺が推す。俺の駆逐艦と比べても問題ないぐらいには強いぞ」

「…ならおゆにも制圧を頼もうか。いっそのこと、ここで蛇化して暴れれるか?」

ポ○○ンでもそんなことあったよな、陸上だと水棲○○モンが浮遊して戦ってたし。

…まぁ、流石にそんな事は無いだろうがな

「分かりました。少し待っていてください…!」

飛び上がったかと思えばいつかの蛇に。

『わかめさんからもらった携帯電子頭脳タブレットのおかげで陸上でも活動できるようになりました。ありがとうございます』

「…あー…うん、詳しいことはあとで聞くからその破壊水線で一掃してくれ」

『了解しました』

何も見なかった事にしよう。

たとえわしのスキルが原因だとしてもわしは悪くない。

本当にできるとか思わないし。

『GVAAAAAAAAA!!!!』

卵の方まで大きな道ができた。

これならもう一発行けそうだな。

作った道を走っているとオークが近づいてきた。

少しめんどくさいが殺るか…

と思ったら斬られて死んだ。

「わかめ、俺も連れていけ」

「おおこんぶ、戻ってきたか」

こんぶの援護があるなら尚良いな

「…そういえばどうやって倒したか聞いて良いか?」

「話すと長くなる」

「…なら後でな」

焦らされると気になる…流石に飛び乗ったとかじゃないだろうしな…

「わかめ…この城壁…」

「…近くで見ると尚酷いな」

通りすがりに確認したが塗装は爛れ、中の石もドロドロに溶けた後。

人がやったとは思えないな…犯人は誰なんだろうか…

「お前だ」

「…知ってる」

ちょっとした現実逃避だろ…夢を見せてくれよ…

「言ってろ」

…もう一度城の外壁を駆け上がる。

今度は前回の反省も兼ね絶対付与で不壊を付与。

これで中身はともかく外見は問題ないだろう。

「…わかめ、あの卵…孵化しかけてないか?」

確認すると徐々にヒビが大きくなり、微かに揺れている。

「こんぶはアレ何の卵だと思う?」

「安直に考えると鳥だが…鳥はさっき俺が倒した。なら何かしらの爬虫類のら動物だと考えるのが妥当だろう。で、ボスとしてなら恐竜しか考えられない」

…まともな考察を聞いた気がする

「お前らが適当すぎるだけだ。考察である程度の備えはできるからな。…まぁ、俺がいるからそこはやるから任せろ」

「おう、頼りにしてる」

助走を付け、跳び上がり、空気を足場にして、無を踏みしめ、尚空へと登りつめ…

…わかめ、すぐ戻ってこい。

卵の様子がおかしい

……具体的に言うと?

青黒い魔力が唸って眉を形成している。

近づいたら何が起こるか俺でもわからん。

できれば戻ってこい

……了解

渋々分身体解除で戻る事に。

ほんと、敵が覚醒とかはやめてほしいんだがな…





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ブチ殺す


第0話の後書きにロゴ的なものを貼ってます。

よかったら見に行ってくださいな

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