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厨異魔天 第1章  作者: わけわかめ
第1章 ジャポンって色々混ざりすぎ
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第12話 無と在は重なり連なる

「錨を降ろせ」

「錨を降ろせーッ!」

『アイアイサーッ!』

男達が掛け声と共に働く。

エゾの港は調査基地と思えないほど大きい。

双夢に聞いたところ、全国の冒険者を集めここの調査を行なっているらしい。

それで色々な種族がいるわけか。

ドワーフが製造と前線、エルフが研究と後半支援。

それ以外の種族も自分達ができることを分担して効率よく働いている。

もし地球もこんなところだったなら…

「…海は荒れてたが…噂の蛇は出なかったな…」

「…蛇?」

横にいる船長の呟きがやけに耳に響いた。

「あんちゃんには教えておくか…最近、この海域に船よりも大きな蛇が出没するらしい。生き残った奴が言っていたが、あれはリヴァイアサンだ、だと。海の男がそれ程度でビビってられるかっての。詳しく知りたきゃどこにいるか教えてやろうか?」

蛇か…あまり蛇は好きじゃないんだよな…

「いや、いい」

「そうか。気が向いたら本部にある調査依頼でも受けてくれ」

「気に留めておく」

リヴァイアサン…確か神話に出てきたような…

「…そんな事はともかく到着だ。お前さんの仲間と合流して本部に行きな。詳細はそこで聞けるだろう。」

「ありがとな、船長」

「いいってことよ。早く団長の所に行ってやりな」

全員と合流し船を降りた。

港のすぐそばにある団長の指揮所に向かう。

「おお、よく来たな。俺はムイだ。気軽に団長と呼んでくれ。」

団長は人間の大柄な男だ。

恐らく前線とかに出るタイプだろう。

「…よろしくな、団長」

…お前らは暇だからってお菓子を食うな

「お前たちは私達が新しく見つけたダンジョンの調査にやってきた冒険者達だな。あのダンジョンは俺も行ったからよく覚えている。…そこで、何故人員派遣を要請したか、ということに繋がる。」

団長は横のお菓子食い達を意にせず話を続ける。

給仕係の人が困ってるからそれぐらいにしておけ

「何故かそのダンジョンには大きな扉があって、その前には強力な魔物が生息している。大規模な隊を組むのは今の状態だと大変だ。だから、高ランクの少数パーティの冒険者を要請した。俺達の依頼はダンジョンの踏破、及び情報収集。最低でも扉前の魔物を倒してくれ。」

ダンジョン解放、できれば踏破か。

「魔物の名はアフィール。地面を泳ぎ、高く飛び跳ねて敵を丸呑みにする魔物だ。図体はデカイが、かなりすばしっこい。落ち着いて一撃一撃を当てろ。」

地面を泳いで飛ぶ…?

「ダンジョンの場所が乗った地図はコレだ。替えはないから慎重に扱えよ」

礼を言って受け取る。

ここからはかなり離れているらしい。

「馬車でも2日ほどかかる場所だ。しっかり準備していけ。補給係には話を通しておく。必要なものを言っておけ」

「ありがたい」

新鮮な食べ物は欲しいからな…

「何かあったら俺に言えよ。お前らの宿舎へはこいつが案内する。」

給仕係の一人がやってきた。

部屋を後にし、案内されるまま煉瓦造りの建物へ向かう。

後で聞いたが、ここは来賓を案内する建物らしい。

密かに感謝しておこう。

「お菓子おいしかったー」

「特にクッキーがおいしかったな」

居間に入るなりソファーと椅子に倒れこむ二人(BOYとしゃけ)

全く働いてねえだろお前ら…

「…わしは一枚も食ってないんだが」

「そういうと思って一枚もらってきたぞ」

「……寄越せ」

「ほい」

…ウマっ

「ぼくもまだたべたいー!」

残念ながらこれで最後だ

「私も一枚いただきましたがとても美味しいですね…」

「だナ。また食べたイ」

しみじみとした顔でそんなことを言うな

「だったら補給係に申請するときに一緒に貰ってくればいいだろ」

…その発想はなかったの目はなんだ

「…あー…私は何よりゲームがしたい…ネットしたい…」

「ソシャゲの連続ログイン途切れてるしなー…」

「…端末あるだけマシだろ」

わしは今持ってないからな…

「ま、まぁ私はそろそろ行ってきます。何か必要なものがあれば言っておきましょうか?」

「わしは特にはないな…」

「私は…一応弓も使ってみる」

確かにお前杖だもんな

「武器メンテのための砥石が要る」

あとでわしの分も頼むか

「くっきー!」

…スラリンよ、お前はどれだけ食べるつもりだ

「では、弓矢と砥石とクッキーですね。行ってきます」

「いってらっしゃい」

双夢が行くと二人は更にダラけた。

こっちにきてからよりダラけてるよな…わしの方がダラけてた気がするんだが…


翌朝、わしらは早朝から出かけることにした。

馬車で2日なら自動車で1日ほどだろう。

「本当にそれだけでいいのか?食料なんて遠慮しなくていいからな?」

「安心しろ。わしらは無限収納インベントリがあるからな」

「…収納系があるなら食料は問題ないな。だが、十分に注意して行けよ。どこで足元を掬われるか…」

…話が長い

「団長、そろそろ行かないと時間がヤバい」

「…それもそうか。…命あっての物種だ…死なないようにな。」

「分かってる」

経験談からのアドバイスは心に留めておこう。

確かに、今のパーティメンバーはスペックのゴリ押しで成立しているところはあるからな…いつまでも続く訳じゃない、ってか。

門が開き、盛大に送り出してくれるらしい。

「行ってこい!俺達の調査団よ!」

「…行ってくる」

車に乗り込んでアクセルを踏み込む。

…未踏の地、何事もなければいいが…


「御主人様、地図と目印を照らし合わせると、おおよそこの辺りのようです」

日が沈み、獣の遠吠えが聞こえてきた。

「…だな。今日はここで寝るか」

これ以上の行動は控えよう。

「今日はちょっと早いな」

「明日に備えて今日は早く休むからな」

周りの警戒は俺に任せろ。

…出来そうなら偵察もしておく。

こんぶ、任せた

「今晩作るのはスタミナ丼です。明日は私達での初戦闘なので…気合、入れていきましょう!」

椅子に腰掛け料理の完成を待つ。

今回のダンジョン…最初のダンジョンのように扉があるんだよな。

また蹴飛ばすだけで済めばいいが…

「…いや、もしもを考えても仕方ないか」

「そうだぞわかめ。心配しすぎも良くないからなー」

「…そうだな」

今日はゆっくり眠るとするか…

「私はとにかくゲームができれば…」

「お前は働け」

魔力補充くらいしか役に立ってないだろ…

「ごはーん!」

「スラリン、後で残ったお肉あげるからじっとしててね」

「はーい」

…双夢の素の口調はあんな感じか。

あっちの方がいい気もするが…わしの決めることじゃないな。

「御主人様達〜ご飯できましたよ〜♪」

「ありがとさん」

箸と丼を受け取り前に置く。

『いただきます』

生卵を載せてかき混ぜる。

肉と黄身が混ざってさらに美味しそうだ。

「わかめ、俺にも寄越せ」

「私もいる!」

「残念ながらこれで最後だ」

ワザとらしく双夢に渡しながら煽る。

「…ちっ…」

「わかめぇ…」

そんなに睨むな…あと、BOYに関しては買えばいいだろ

「おいしーい!」

「…それは良かったです……おいしっ♪」

ニンニクの風味と卵のまろやかさが合わさって…

「…わかめ、その食レポはいらない」

「………」

最近、無意識に呟いてるんだよな…

「それくらい旨いって事だろ」

「…そういうことにしとく」

…ハッ!?

いつのまにか完食していた…

もう少し食べたいが…

「…おかわりありますよ」

「頂こう」

視線だけで通じあった。

戦闘でもこれくらいはできたら連携が楽になるよな。

「ずるいぞわかめ」

「双夢、私もちょうだい」

「わかりました…少し多めに作っておいて正解でしたね」

スラリンはもう寝てるか。

食っちゃ寝してるが…スライムだから太らないよな。

…いや、体積増えた方が強いのか…?

完食し、シャワーを浴びればもう既にいい時間だ。

「わしはソファーで寝る。BOYはルーフでいいぞ」

適度な柔らかさで、意外とソファーは寝やすい。

「はいはい。言われなくてもあっちで寝るわ」

「なんでもいいからさっさと寝ろ」

明日の戦法でも考えながら寝るか。

地を泳ぐ野郎の動きを封じ…目を潰して機動力を奪い…


脳天に一撃…叩き込む(ブン殴る)


次は長くなる予定

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