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厨異魔天 第1章  作者: わけわかめ
第1章 ジャポンって色々混ざりすぎ
12/24

第10話 金は無尽蔵に沸いてくる

午後三時。

わしが今日のおやつを食べていると、庭のほうから何かが聞こえてくる。

「せいっ!」

「…紗ァ!」

…双夢とこんぶが、もはや日課となった模擬戦を繰り返しているらしい。

わしもしたかったのだが、剣術や武術はこんぶさんから教わることが多いので…と断られてしまった。

…確かにステータスに任せて振るっているところはあるが…はぁ…

「おっ、わかめはここにいたか」

「…なんじゃ」

今茶を飲もうとしてたのによ…

「あー…俺、商人ギルドに登録したいから一緒に来てくれ」

BOY…やっぱり行くのか…

「…暇だし行ってやるよ」

「じゃ、早速行くか!」

ということでやってきた商人ギルド。

冒険者ギルドは某狩り酒場といった雰囲気だったのに対して、こちらはホテルのロビーのよう。

「このカウンターでは、商人ギルド登録の受付を承っております。入会することによって……」

聞くだけ面倒くさい。

どうせ税とかそういった金のことだろう。

「そういうのはいい。こいつの登録だ。わしはあそこのソファーで休ませてもらう」

わしがそう言い切ると、受付嬢は軽く嫌そうな表情をしたものの、すぐに取り繕いBOYの方に向き直った。

「………わかりました。では、こちらの書類に…」


さて、わしは……そうだ、ステータスでも見るか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

名前 わかめ

種族 人族

職業 異世界のバトルマスター

レベル 70

ステータス

攻撃力 7100

防御力 3550

素早さ 5325

魔力 5325

スタミナ 3550

器用さ 1775


オリジンスキル

絶対付与アブソリュートエンチャント

触れたものにどんなに理不尽でも矛盾していてもその効果を付与できる。残り10/10

分身体アナザーアバター

魔力で自身と同一存在の身体を生成する。

思考は並列で処理される。

スキル

剛力投擲ストレングスロー魔改造マジックチューン 鑑定 無限収納 時間停止移動 攻撃魔法之心得

適正武器

双剣ダブルソード巨大槌メガトンハンマー 両手棍ダブルハンドクラブ 薙刀ナギナタ

双回転銃ダブルリボルバー狙撃銃スナイパーライフル 機関銃マシンガン

ウェポンスキル

高速変換クイックチェンジ

双剣のみ、無限加速連撃インフィニティアクセラレーションラッシュ

巨大槌のみ、惑星破壊プラネットデストロイ

両手棍のみ、そして誰も話さない…

薙刀のみ、完全反射パーフェクトカウンター

銃火器のみ、サーチアンドデストロイ

同じく、クイックリロード

同じく、フルバースト

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

70の大台に乗ったな……それにスキルも増えた。

まず、遊びで使っていた強力投球が制限の外れた剛力投擲ストレングスローに変化した。

クイックリロードは、その名の通り発動するだけでリロードできる…らしい。

フルバーストは、弾倉にある弾全てを強化した上で撃ち尽くすスキル。

魔改造マジックチューンは…リソースと魔力をつぎ込んで性能を向上・追加できるが、倍率コスパは低い。

「やっぱりレベルカンストまで持っていきたいな…またダンジョンには行くか」

「わかめー商人ギルドの登録できたぞー」

「了解。それじゃ帰るか。…帰る間にステータス見せろ」

もしかしたらBOYのスキルも増えてるかもしれないからな…

「だったらお前のも見せろ」

「…仕方ないな」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

名前 BOY(ボーイ)

種族 人族

職業 異世界の作成者クラフター

レベル 70

ステータス

攻撃力 5325

防御力 5325

素早さ 3550

魔力 7100

スタミナ 3550

器用さ 7100


オリジンスキル

全世界注文ワールドオーダー

金を使い、異世界の鉱物、食材、建材、工学部品、消耗品を取り寄せることができる。

自動取引オートトレード

所持するアイテムを自動で売買できる。

スキル

瞬間防御 精密製作エサクトプロダクト 想像製作 連続製作チェインプロダクト 鑑定 無限収納 思考加速 補助魔法之心得

適正武器

片手剣ソード片手斧スモールアックス細剣レイピア大盾ビッグシールド

ウエポンスキル

高速変換

片手剣のみ、完全切断

片手斧のみ、王者之処刑キングアクセキューション

細剣のみ、無限加速刺突インフィニティアクセラレーションスラスト

大盾のみ、全方向防御

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

…普通のスキルはともかく、BOYもオリジンスキルが増えてるな。

「…うわっ使えねーぞこれ」

「マジか」

帰って試してみたところ、所持するアイテムという判定に無限収納のものが反応しないらしい。

例えるなら、それ単体では使えないMOD。

「注文の能力と合わせれたらいいんだけどな…」

「ま、無い物ねだりしてもダメだろ」

使い道はまた考えればいいか。

「御主人様ー?そんな項垂れた顔してどうされました?」

模擬戦が終わった双夢が声をかけてきた。

汗を流しに行くところだったらしい。

「…俺の新しいオリジンと元々あったオリジンの相性がいいはずなのに、能力が絶妙に噛み合わない…双夢、どうにかならんか?」

「……えーっと……スキルチェインというものならあります。…ですが、スキルステーションでしかできません。それに、スキルステーションは国とギルド本部が管理してますし…」

「…スキルステーション…….?」

どこかで見たような気が…

「知っていますか?小さな石碑の形をしているんですが…」

小さい石碑……?

「…思い出した」

桜の木のダンジョンにあったアレだ

「双夢、今行けるか?」

「え…?あ、はい」

「それじゃBOY、ついてこい」

「うい」

桜の木の裏に回ってきた。

確かこの辺りにボタンが………よし、開いた。

「まさか桜の木の下にはこんな道場があったなんて…」

「双夢、スキルステーションってアレか?」

奥にある石碑を指差す。

「少し触ってみてもいいですか?」

「勝手にしな」

ドールが現れ、手慣れた手つきで現れたウインドウを操作する。

「やッパリコれ、封印さレてルナ…」

それでわしが触った時にはなにも出なかったのか…

「明日ニハ使えルよウニすル…今日は先ニ戻ッテおいテくレ…」

「了解。あとは頼んだ」


して翌日。

夜通しの作業で疲れたのか、ドールは壁に寄りかかって眠っていた。

「…フィア……ン…」

幸せそうに寝ているドールを横目に、スキルステーションに触れる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スキルステーション No,0

所持スキルポイント

259p

連結選択

オリジンスキル▽

スキル▽

ウエポンスキル▽


連結解除▽


+3*=<$4

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スキルを選択し、合成するのが連結らしい。

下の文字化けは…まだ封印されていて、触れても意味がなかった。

「BOY、先にお前がしていいぞ」

見たところわしのオリジンは繋がらなかった。

他のスキルを連結してもいいが…後でいいだろう。

「分かった。例のスキル瓶出してくれ」

「あいよ」

箱をBOYの横に置く。

「…また100p必要だぞ」

「後でこれまでの分を含めて金払ってもらうからな」

500pだから…大金貨2枚と金貨50枚だな

「…全世界取引ワールドトレード。買うだけだった注文オーダーから取引トレードになって金稼ぎができるようになった。」

ほうほう…やっぱりうまくいったらしいな…

「それで?」

「設定さえすれば勝手に仕入れして別世界に売れる。…まだ加工だけは俺がしないとだけど。」

ただの転売ヤーって感じか……

「だから?」

「返済はまた今度にさせてくれ」

仕方ない…

「……利子含めて大金貨3枚だ。返済期限は設けないから一括で返せ。」

「利子が約5割とか外道にも程があるぞ」

「返済期限設けてないだけマシと思え」

…ったく…わしはまだ良心的だぞ?

「はいはいありがとうごさいますわかめ様」

「…感謝の気持ちが篭ってない」

ま、恩の押し売りはこれくらいにしとこう。

「なんでもいいが、きちんと返せよ?」

「分かったから帰ろうぜ」

双夢はドールを回収し、ここに残るらしい。

わしとBOYの二人で上へ帰った。

「俺は金策と生産を受け持つ事になりそうだな」

「…ならわしは戦闘ってか?」

しゃけは後衛になりそうだな。

「おかえり…どこにいってたん?昼寝から起きたし、双夢におやつ作ってもらおうと思ってたのにおらんし…」

「地下…か?」

エレベーターで下るしな…

「あながち間違ってはない」

「訳がわからん。後で聞かせてもらうから」

「……また飯の時でな」

行儀は悪いかも知れんが…いつもの事だし別にいいよな

「分かった…私はまた昼寝するわ…」

しゃけが自分の部屋に戻り、BOYもまた作業と金策のために部屋に帰った。

「わし一人…よし、狩りにでも行くか」

今日は飛ばして少し遠いところまでなら…

「魔物狩りか?俺も同行する」

縁側でまたお茶を飲んでいたこんぶが立ち上がって話しかけてきた。

「こんぶ…暇なのか?」

「茶を飲むのもいいが…身体を動かすほうがいい。で、どこへ狩りに行く?」

「ギルドにある依頼を見て決める。流石に晩飯の時間には戻ってこれるから安心しろ」

「そんなことは心配してない」

「…だろうな」

今日のギルドは既に閑散としていた。

大体の依頼は受けられた後なのだろう。

「こんにちはわかめさん、今日は…おや?後ろの方は初めて見ますね。」

ああ、こんぶと一緒にここに来たことは無かったな。

「こいつは…ま、仮のパーティーメンバーみたいなものだ。」

「…俺のカードは今は無いし、再発行も必要ない。報酬は全部こいつに渡してくれて構わん。」

……今は?

「そ…そうですか…では改めましてわかめさん、今日は指名依頼がありまして…北の大地、エゾの近くの洞窟の調査依頼です。少し前の揺れでできたと思われる洞窟なのですが、かなり危険な魔物が多く生息しています。ですので、ディファレンツご一行の探索技能の調査も含めての指名依頼となっております。報酬は大金貨2枚、前払いでスキル瓶200p分です。情報の質によっては報酬アップも検討する、とのことです。」

北の大地のエゾの調査か……北海道?

「……分かった。俺の一存じゃ決められないが…指名依頼ということは、強制だったか?」

「はい。身体的理由以外は全て認められていません。」

冒険者の身体は資本だからな…それは壊されると困るって事か

「じゃ、その依頼は受けさせてもらう。出発は…三日後で。ウチは独自の足があるから馬車の手配は必要ない。」

前払いのスキル瓶でもう少しいい車を解放すれば長距離も楽になるだろう。

「承知しました。前払い報酬のスキル瓶は倉庫にてお支払いします。そして、出発前にここで依頼書をお受け取りください。あちらでの身分証明書に必要です。」

「了解。また三日後に来る」

倉庫にいたギルマスからスキル瓶を受け取り、拠点へ帰る。

前払いがスキル瓶だったのはギルマスの根回しによるものだったらしい。

不良在庫の処理と名して他の町からわざわざ取り寄せたそう。

…今度、一緒に飯でも誘ってみるか

「ただいま」

「おかえりなさい、御主人様」

丁度双夢が晩飯の準備をしていたところだった。

「…双夢、あとであいつらにも言うが、仕事(依頼)が入った。出発は三日後。北のエゾまで行き、洞察の調査をする依頼だ。」

「調査依頼ですか…承知しました。私も同行してよろしいでしょうか?」

拠点の管理をしてて欲しいが…

「…ま、いいか。旅先でも美味しい料理作ってくれよ?」

「分かりました!」

目が輝いてる…冒険者だったし、旅が好きなのかもな

「何か必要なものがあったらBOYに言ってくれ。一千万チェインまでなら自由に使っていい」

「スキルステーションは…」

「…勝手にしな」

珍しいとはいえ減るものじゃない。

隠すべきだが、知っているなら使わせていいだろ

「また忙しくなりますね…」

「わしはBOYにキャンピングカー…一種の移動式拠点を手配させてくる。今日のところはまだゆっくりしておけ。」

幾らするんんだろうな…あまり高くないといいが…

「では、また晩御飯の時間になりましたらお呼びします」

「おう。今日も美味しいのを期待してるぞ」

双夢に後は任せ、BOYの作業場へと向かう。

あまりコストがかからないといいが…


「…で、今日の狩りは…」

「中止だ」

「…そんなー」

……見た目はいい年こいてるからただ気持ち悪いだけだぞ…


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